子育て・しつけ

暴言、ウソ、暴力…子どもの問題行動に悩むママが増田先生に相談

平成18年度と平成29年度の11年間で、小学校1年生のクラス内での暴力は約19.2倍になっています。その原因が感情のコントロールが苦手なお子さんが増えているから。あんふぁんWebで「子どもが家族に対して暴力をふるったり、暴言を吐くことはありますか?」と質問したところ、47.5%の人が「ある」と回答しています。
実際にお子さんの暴力・問題行動にお悩みの読者をお呼びして、リアルな声を聞きながら、今の子どもたちを取り巻く状況について、読者と増田先生でざっくばらんに話しをする場を設けてみました。夏休みを迎えた今、今一度親子関係を見つめなおしてみませんか?

平成29年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」文部科学省発表

小学生のお子さんの暴力・問題行動に悩むママたち

Yさん
2児のママ。埼玉県在住。長男(小2)の問題行動に悩んでいる。
パパに対する態度とママに対する態度があからさまに違うことにお悩み。

Iさん
4児のママ。東京都在住。長男(小4)の問題行動に悩んでいる。
子だくさんゆえに、目が行き届いていないこともお悩み。

【Yさんの場合】小2長男の口答えと暴言に悩んでいます

Yさん : 私は長男(小2)が口答えすることに悩んでいます。反抗期なのか、言い争いになることが多いです。とくに字の汚さを注意すると言い返してくることが多くて…。もう少しきれいに書けば、できるのは知っているので、「もう少し、きれいに書けないの」と言うと、そこから言い争いになり、「字が汚いのはお母さんのせいだ」「どうせバカだと思っているんだろ」「オレなんかいないほうがいいと思っているんだろう」と言い始めて。この言葉はショックでした。子どもにそう思わせてしまったのだろうか、とかなりへこみましたね。

増田先生 : そのような発言は、お父さんに対してはないですか?

Yさん : ないですね。父親に対しては、そのような態度に出ることはなく母親のみです。2人のときだけなので、父親は信じがたいと思います。私が報告をして、父親が翌日に話をすると、素直に非を認める感じがあります。

増田先生 : 文字を書くのは早い方でしたか?

Yさん : そうですね。字は年中くらいから、父親が教えて書けるようになっていたと思います。

増田先生 : そうですか。最近は保育園でも字を教えているところが増えましたね。私も字の書き方というか、鉛筆の持ち方を教えています。Yさんのご家庭では、鉛筆はどのように持つといいと指導していますか? ただ、「上手に文字を書きなさい」というのは子どもには難しいんです。持ち方をきちんと教えてから、書き方を教えることが大切です。大人はよく「きれいに書きなさい」と言うけれど、そうではなく、まず大事なことは鉛筆の持ち方を教えることなんです。

Yさん : 言葉遣いが悪いことも気になっています。どのように注意すればいいか。どこまで許すかが難しくて…。私に対して「てめぇ」と言ったりすることもあって。

増田先生 : 言葉自体はそれほど気にしなくていいと思いますよ。考えるべきなのは、何でも「お母さんが悪いんだ」という責任を転嫁してくる傾向の方ですね。今、学校では、いろんな問題が低学年で起きています。その中で思うのは、「他責タイプの子が多くなっている」ということ。大学生になっても、単位が取れないのは先生が悪い、先生の教え方が悪い…というんですね。何か不都合があったときに、まず自分が悪いと思わない、責任転嫁する傾向を感じます。
こういう傾向は、小学校から始まっていて、Yさんの息子さんだけの話ではないんですね。こういう子どもがなぜ増えたか?を考えると、世の中が、なんでもきちんとできる子を求めているからだと思います。

きっと、Yさんのご主人は子どものころからできる人だったのではないでしょうか。「お父さんはしっかり生きてきた」という無言の圧力があって、「お父さんはできる人だ」というリスペクトが息子さんにある。同時に「でも僕はできない」という焦りや、「自分はそうはなれない」という思いが息子さんの中にあるように感じます。実はそれが大きなストレスとなっている可能性もありますね。

【Iさんの場合】子どものウソにほとほと疲れてしまいました…

Iさん : 私は長男(小4)のウソに悩んでいます。小2くらいから多くなったのですが、当時、クラスが荒れていて、担任の先生が3回変わる事態がありました。母親と父親に言っていることが違ったり、明らかにウソだとわかるのに、ウソをつきとおそうとします。

増田先生 : 僕は子どもは、自分の都合がいいようにウソをつくものだ思っています。「ウソはいけない」というのではなく、もっと「うまいウソをつきなさい」くらいの感覚がいいんじゃないかな。「もっと笑えるようなウソを考えてごらん」って言ってみる。うまくユーモアにすり替えるという感じですね。いずれ、子どもはウソをついていけない場面はわかってきますよ。

息子さんがウソをついているなと思うときは、聞き方を変えてみるのも大切ですね。話を聞きながら、「うんうん、それで? うん、それで?」「ふーん」「どこが通じてないと思う?」という感じで聞いていく。子どもの話を聞いているようで、実は「話し手モード」で対峙しているお母さんが多いんです。子どもに促すのは「反省」ではなく「内省」です。自分の非を認めるのは難しいけれど、自分自身で考えさせることが大切。
Iさんの息子さんの話を聞いていると、語彙をもう少し増やせるといいと思いますね。息子さんが小さい頃「読み聞かせ」はしていましたか?

Iさん : いえ、ほとんどしていないですね。

増田先生 : 今、4年生ということですが、今から「読み聞かせ」をしてみてください。2年生くらいが読む絵本から始めてみるといいと思いますよ。言葉の数を増やすには、読み聞かせが大切。今からでも遅くないので、ぜひやってみてください。そのとき、その絵本の世界を一緒に楽しむことが大切ですよ。音読が大切なのは、言っている言葉が耳には跳ね返っているからなんです。それによって、理解度が高まる効果もあります。ぜひ声に出して読んであげてください。

ほかには「対面読み」。同じ本を2人で読み合わせるのもいいですね。同じ本を2冊用意して2人で読んでみる。僕は子どもたちに、絵本を見せないで読んでみる → その場面、世界を想像させる → 絵を見せる、ということもしていました。文字能力だけでなく、絵を一緒に見せて読解力を深めるんですね。

現代は子どもたちにとって「受難の時代」

今回のお悩み相談を受けて、増田先生から読者に向けてメッセージをいただきました。

Iさんの相談の中に、小2のとき担任が3回変わったという話がありました。僕が小学校教諭だったときに、担任が7回変わった事例がありました。子どもたちが悪さをする → 親が文句を言う → 先生が病んで辞める → 子どもが「自分たちを見捨てた」と思う → 僕たちはどうでもいい存在だという感覚 → 投げやりな気持ちになる、という悪循環でした。担任が通年を見ることがいかに大切かということです。

それから、最近の子どもたちの関係性においては、クラスの同調圧力が強い、それに抵抗することが難しいということを親が理解してあげてほしいなと思います。以前はクラスのリーダーも決まりやすかったです。なんとなく中心になる人物がクラスをまとめ、先生をサポートしてくれてもいた。でも、今はリーダー自体が、全体の空気を読まないといけない。だからリーダーをやりたくないと思うようになる。現代は子どもたちにとって「受難の時代」だということも親として頭に入れていただきたいです。

増田修治先生

白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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