子育て・しつけ

この10年間で、小学校1年生のクラス内での暴力は約14倍になったという調査結果が出ました。
原因は感情のコントロールが苦手な子どもが増えていることではないかと言われています。
では、小さいうちから感情のコントロールを教えていくにはどんな関わり方をしていけばいいのでしょうか?
小学校教諭として28年間勤務した経験のある、増田修治さんに聞きました。

お話を聞いたのは
増田修治さん(あんふぁんサポーター)

白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。28年間小学校教諭として勤務した後、現職。子どもの荒れやいじめについて、新聞や雑誌などでアドバイスを多数行っている。あんふぁんWeb「小学生ママ」コーナーの「困ったら増田先生に聞いてみよう 放課後職員室」でも活躍中。

10年間で小学生の暴力は急速に増えている!

急増の理由としては、昔は「じゃれ合い」とされていた乱暴な行為も「暴力」とみなされるようになったことが挙げられるものの、特に低学年の伸びが非常に高いことが分かります。

平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査 速報値」(文部科学省)

子どもの暴力の特徴…1

「なんとなくムカつく」
だけで手が出てしまう

私が過去に担任を受け持った児童の中には、「どうして叩くの?」と聞くと「なんとなくムカつくから」と答えた子がいました。何をされたわけではないけれど、「相手が気に入らない」ことが暴力の理由になるのです。

子どもの暴力の特徴…2

自分の感情をうまく
言葉にできない

自分の心の中の苛立ちやモヤモヤをうまく言語化できず、感情がいきなり行為になって表れてしまいます。「ムカつく」「ばかやろう」「死ね」などの暴言を吐くのも、自分の感情に整理がつけられないためです。

子どもの暴力の特徴…3

手や体の一部が
触れることを嫌がる

友達の手や体が触れることが我慢できず、払いのけたり叩いたり。家庭内でのスキンシップが不足している子に多いパターンです。また、「誰が触ったか分からないよ」という言葉も、過剰に潔癖な子をつくってしまいがちです。

子どもの暴力の特徴…4

自分を棚に上げて
人のことを責める

小学校の荒れているクラスの子どもには、「みんなルールを守らないんだから自分も守らなくていいだろう」と考える「他責タイプ」が多く見られます。親が「○○くんって悪い子ね」とすぐ人のせいにすると、子どももまねしてしまいます。

  • Q

    暴力とけんかの違いって?

  • A

    お互いに言い分があるのが「けんか」。一方的な攻撃が「暴力」。

 友達やきょうだいを叩いてしまったり、蹴ってしまったり。わが子の乱暴な行動にヒヤッとした経験を持つママは少なくないことでしょう。ただし、手や足が出たからといって一概に「暴力」とは言えません。
 言い争ううちにエスカレートして、手や足が出てしまう。これは「けんか」です。けんかにはお互いに原因があり、言い分があります。一方「暴力」の場合、手や足が出ることに理由はありません。「なんとなくムカつく」という自分の感情で、一方的に相手を攻撃してしまうのです。

  • Q

    親の育て方に問題があるの?

  • A

    親に「〜しなさい」と命令されてばかりだと暴力的になる傾向に。

「なんとなくムカつく」「ウザい」。こうした感情には、自分とは違う価値観を持つ相手のことを受け入れられないという問題が隠れています。
 「ムカつく」「ウザい」を連発する子どもたちには、親から「○○しなさい」と命令されて育った傾向があります。価値観を受け入れてもらった経験がないから、自分も誰かの価値観を受け入れることができないのです。

  • Q

    感情のコントロールを子どもにどう教える?

  • A

    どこが悪いのかどうすればいいのかを大人が丁寧に伝えて。

 「暴力を振るう子どもの親」は、「子どもだから許されるでしょ」と考える傾向にあるようです。例えば、わが子が公共の場で走り回っても知らんぷり、よその人に乱暴な口を利いても注意しないなどですね。
 もちろん子どもですから、未熟さゆえに間違えてしまうことはあります。その度に、その行動のどこがいけないのか、どうすればいいのかを教えていくのが大人の役目。その姿を見て、自分の感情や行動をセーブできる子どもが育っていくのです。

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お子さんの「暴力の悩み」にお答えします

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