子育て・しつけ

我慢する力の育て方

我慢する力の育て方

公共の場では静かにする、欲しい物があっても「買って」と言わないなど、
生活の中で子どもに我慢してほしいシーンはたくさんありますね。
でも、「ダメ!」と叱るだけでは我慢する力は育ちません。
また、強い力で押さえ付けてばかりいると、幼児期に一番大切な主体性が損なわれたり、
親がいない所では我慢できない子になってしまう場合もあります。
親はどのように関わるのが望ましいのでしょうか。
長年子どもたちの成長に寄り添ってきた安見克夫先生に聞きました。
監修/西東桂子

illustration ICHIKAWA Akiko

お話を聞いたのは

安見克夫先生

やすみ・かつお 東京成徳短期大学教授、東京都・板橋富士見幼稚園園長。主な研究は、乳幼児期の言葉の発達と保育法。著書『言葉とふれあい、言葉で育つ』(共著、東洋館出版社)など。

我慢する力は主体性と一緒に育つ

 我慢できないということは、「ああしたい、こうしたい」という自分の考えが持てて、それを表現できている姿です。主体性が育ってきているわけです。お母さんは困ることが多いかもしれないけれど、健やかに成長している証拠なのです。
 幼児期において大切なのは、「したい、見たい、行きたい、食べたい…」といった主体性をしっかり伸ばすこと。その裏側に自己抑制できる力(我慢する力)がくっついて育っていくことが大切なんですね。

「ダメ」「我慢しなさい」は最後の手段にする

 子どもが我慢できないことがあったら、「ダメ」「我慢しなさい」の一言で言うことを聞かせるのではなく、子どもとたくさん話をしてみてください。例えば、子どもがお菓子やおもちゃを「買ってー、買ってー」と我慢できないとき、まずは「○○ちゃんは、これが欲しいんだね」と子どもの気持ちを受け入れましょう。そして、どうしてそれが欲しいのか子どもに理由を聞いてください。
 ここまで読んだお母さんは、「そんなこと毎日の生活の中でやってられないわ」と思われたかもしれません。私が園長を務める幼稚園のお母さんからも「先生の言うことは理想だけど、そんなことできない」と言われることがあります(笑)。でも、自分の子どもを理解するには、本当の意味でのコミュニケーションが必要です。
 「ダメ」「我慢しなさい」だけで終わらせてしまうと、子どもの心の中までたどり着けません。欲しがっていることは分かるけれど、どうしてそれが欲しいのか、どのくらい欲しいのか、深さが分かりません。
 お母さんが丁寧に聞いていけば、年少さんでも自分の気持ちを伝えられます。それを聞いてあげてから、なぜダメなのかを伝えていけば、子どもは我を通したい気持ちを抑えて、納得するものです。
 大人はいつでも「ダメ」「我慢しなさい」と言えます。この言葉だけで言うことを聞かせるのは、最後の手段にとっておきましょう。

〝妥協〞の連続は主体性を損ねてしまう

 我慢には、〝妥協〞と〝協調〞の2種類があります。妥協は、仕方ないと諦めること。協調は納得して行動することです。お母さんが自分の気持ちを聞いてくれて、我慢しないといけない理由をちゃんと説明してもらえた子は、最初は妥協であっても、協調に変えていけます。一方、妥協ばかり強いられてきた子どもは、自分の殻に閉じこもってしまいます。
 大人でも自分がしたいことを我慢するのは難しいものです。園児は我慢の練習をスタートしたばかり。すぐにできないのは当たり前ですね。子どもが我慢できないときは、「うちの子は我慢できない」と思うのではなく、「我慢の練習をしているとき」と思ってください。
 幼稚園でも少しずつ練習していきます。例えば紙芝居。最後まで静かに見るためには、魅力的な語りも大切ですが、我慢する力も必要です。年少さんは6枚の紙芝居から始めて、8枚、12枚と枚数を増やしていき、年長さんの最後には16枚を2セット続けて見られる力が付いてきます。いきなり16枚の紙芝居を見せることはしません。楽しさと一緒に練習していくのですね。
 親が強い力だけで抑圧的に我慢させていると、親のいる所では我慢できても、よそではできません。親子でたくさん話をして、妥協させたり協調させたりしながら体験を積み上げていってください。

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