子育て・しつけ

気を付けたい育児ポイントは? 増加中!指示がないと動けない子

増加中! 指示がないと動けない子

指示をすると素直に行動するので、
一見「聞き分けのいい子」に思えるけれど
自分で考えて行動するのが苦手な子どもが増えているようです。
自発的・意欲的に行動できる子に育てるためには
どんなことに気を付ければいいのでしょうか?
監修/西東桂子

illustration ICHIKAWA Akiko

お話を聞いたのは

汐見稔幸先生

しおみ・としゆき 白梅学園大学、白梅学園短期大学学長。東京大学教育学部教授などを経て、2007年10月より現職。専門は、教育学、教育人間学、育児学。著書は「本当は怖い小学一年生」(ポプラ社)など、多数。

【その他の回答】

将来恥をかかないように、マナーは身に付けてほしいから。[東京都・年少ママ]

時間に遅れないようにしたいから。[山形県・年少ママ]

危ないことをしてケガをしそうなので、心配になって。[東京都・年長ママ]

前にも注意したことを何度も繰り返すから。[千葉県・年中ママ]

放っておくと面倒なことになるのを避けるため。[神奈川県・年長ママ]

子どものため、人に迷惑をかけないためなどあるが、一番は私が心配性なのだと思う。[北海道・年中ママ]

※あんふぁん調べ(期間:2013年10月7日~11月5日/有効回答数:716人)

自由に遊ぶ場の減少が
指示待ちっ子の
増加につながっている

 実は既に1980年代には、「指示待ち人間」という言葉が盛んに使われていました。五無主義(無気力、無責任、無関心、無感動、無作法)という言葉も出てきて、子どもや若者のパーソナリティーが変わってきたと言われたのです。
 どうしてそういう子どもが増えたのかというと、子どもたちが自由に外に出て遊べる環境がどんどん少なくなり、家の中で育つ率が高くなったことが大きな原因の一つです。家の中にいると、「早くしなさい」「やめなさい」など、親からの指示が多くなります。その指示に従わないと愛してもらえないという不安が子どもにはあるので、反発することはあっても、結局どこかで指示に従うようになってしまうのですね。
 そういう子どもたちが大人になったときに、新しいことを提案できなかったり、上司の指示が間違っていると思ってもそのまま指示に従うようではいけないということで、文部省(現在の文部科学省)が子どもたちの育て方を根本的に見直すことにしました。
 1989年には、幼稚園の教育要領を全面改訂して、子どもの自主性が一番発揮される「遊び」を中心にする教育に変えることにしたのです。遊びの中でいろいろな力を伸ばしていこうとしたのですが、教育要領の主旨や考え方が十分に伝わらなかったことや、「遊び」の指導の難しさもあり、幼稚園は混乱しました。

時代と共に
ますます増える
家庭内での指示

 この混乱の最中に、小学校での「学級崩壊」が取り沙汰されるようになり、新聞などは、幼稚園が子どもを放任するようになったからだと書きました。これが「遊び」の指導の難しさですね。幼稚園の現場が主旨を理解し実践できるようになるのに約10年かかりました。
 一方、家庭での子育てについては、今は1980年代よりも子どもを外で遊ばせられなくなっているので、家の中にいる時間が増え、親からの指示も増えてしまいます。
 昔の子どもは外で遊んでいる間に、いろいろなことを覚えました。でも今は一から十までお母さんが教えないといけないような環境になっています。世間も「子どものしつけは母親の責任」という目で見るので、お母さんには大きなプレッシャーがかかります。お母さんは「しつけができていない」と思われたくないから、親の言うことをきちんと聞く子にしたくなってしまうのですね。教育熱心な親ほど子どもに指示してしまいます。
 先ほど話したように、幼稚園は子どもを取り巻く環境の変化に合わせて変わりました。でも、家庭での子育てについては「やり方を変えないといけませんよ」と誰も教えてくれません。お母さんたちは「これでいいのか」と疑問や不安を持ちながら子育てしている状況です。

指示が多すぎると
子どもの主人公感覚が
育たない

 人間にとって一番大事なのは、自分のことは自分で決めるんだという、主人公感覚を身に付けることだと思います。嫌なことは嫌と言うし、やりたいことはやりたいと言う。自分の考えと違うことを言われたとき、「なるほど」と思ったら、意見を変えることも自分で決める。
 「こうやったらお母さんに叱られる」「こうやったら褒められる」ということが基準になってしまったら、主人公は自分でなくなってしまいます。そうすると自分を大事に思う心も育ちにくいのです。
 お母さんが子どもに「ああしたらどう?」「これはダメでしょ」と言うのは、子どもへの愛情からですが、それでは自分で決めるという感覚が薄れていってしまいます。


関連記事

関連記事

キーワード検索

幼稚園関連サイト

  • こどもがまんなかPROJECT
あんふぁんWebは子育てママを応援しています。