小学生ママ

「集団行動ができない」というお子さんの場合のレッスン

東大脳育成コーチ谷亜由未の子どもを伸ばす親力強化レッスン

立春も過ぎ、暦の上では春に向かいますが、今が一番寒い時。先月末からインフルエンザが猛烈にはやり始めましたね。私が子どもの頃は、学級閉鎖なんて小学校6年間に1回、どこかのクラスであるかないか、だったのですが、今は学級閉鎖だらけ。予防策や、かかった時の対応策ばかりに目が行きがちですが、そもそもどうしてこんなことになってしまったのか、よーく考える必要があると思います。

集団行動に重きを置きすぎると、主体的に生きる意欲が失われてしまう

さて2月1本目は、「集団行動ができない」というお子さんの場合のレッスンです。最近めっきり天邪鬼(常識を疑う)が身についてきた私は、まずは「集団行動って本当にできなくちゃいけないの?」と考えます。

まず集団行動の意味ですが、「集団メンバーが集団の存続発展のために行う行動、およびその行動の総体をいう。このような集団行動は、集団メンバーが集団において担う地位・役割によって規定される。地位・役割のシステムは集団の存続発展に必要な要件を満たすように形成される」【出典:小学館「日本大百科全書」(ニッポニカ)】と書かれています。
このコラムは、子育てママさんたちの悩みに答えるものなので、集団行動ができないは、たとえば授業中みんなと同じようにじっと座っていられない、ひとりだけ違うことをやってしまう、先生の指示に従えないなどのことだと思います。

学校で集団行動をさせる理由は2つあって、ひとつは人としてまわりと調和し、社会のルールを守りながら生きていくことを教えるため。もうひとつは、今の授業形態ではそれが教えやすいからでしょう。もしこれが、先生と生徒、1対1だとしたら、集団行動ができないという悩みはほとんどなくなると思います。

ここで少し視点を変えます。私たち大人は、集団行動は大切だと思い込んでいますが、集団行動の大切さを教えられながら、集団で教育をされた私たちは、果たして大人になった今、個々の可能性を最大限に生きられているのでしょうか? 最善の人生を生きられているのでしょうか? もちろん、集団行動をとることによって守られていることもたくさんありますし、社会のルールとして集団行動が必要な時もあります。でも集団行動に重きを置きすぎたために、自発的な行動や主体的に生きる意欲が失われてしまっている子どもや大人たちもいるのではないでしょうか? 「みんなと同じがいい」「人と違うことをすると叩かれる」日本人に染みついたこの感覚は、多くの人の個性にフタをし、生きづらさを生んでいるようにも思えます。

AIが発達していく未来は、集団行動より大事なものがある

先日、ある中学校の校長先生のお話の中で、「冬の北海道、雪が積もる中でも女子生徒たちはスカートにハイソックスをはいている。なぜならば、ほかと違う服装をすると陰口を言われたり、LINEのグループから外されたりするからだ。それを恐れてみな同じ服装をしている、なぜそういうことが起こるのか?」との投げかけがありました。これも集団行動に重きを置いた日本人の意識からくるマイナス面のひとつだと思います。

加えて、高度経済成長期は同じものをたくさん作ればよかった時代なので、人間も言われたことを卒なくこなす人が求められました。でもAIが発達していくこれからは、それよりもクリエイティブさが求められます。そうなると、集団行動をよしとする価値観すら、マイナスになる可能性もありますし、ITの発達により、集団行動の必要な場面もどんどん減ってくるでしょう。

何が言いたいかというと、集団行動ができないお子さんを、今、何が何でも集団行動ができるようにすることが大切かと言えば、そうではなく、集団行動ができないお子さんをいかに親やまわりが受け入れてあげるか、そして必要な時には力を貸してあげようという姿勢になれるか、そちらの方が大事なのではないかと思うのです。

もちろん、単なるわがままで集団行動をとらない場合はしつけとして指導が必要ですが、今の子どもたちの中には、本当に苦手でできない子たちも増えてきているのです。ひとつのことに集中できない、自分をうまくコントロールできない、興味のないことはまったく頭に入らない、大勢の中にいるだけで疲れてしまう…、その子たちを無理やり、今の教育体制に当てはめさせようとすることで、逆にとてつもない可能性や個性をつぶしてしまう恐れもあるのです。

歴史的にも大きな時代の転換期が来ている今、私たち大人が子どもにしてあげることは、杓子定規に年齢や学年に当てはめて集団行動ができる子に育てることではなく、その子の個性としてできないことを受け入れつつ、その子のよさを伸ばし、その子のペースに合わせて、できることを増やしていくような関わりをしてあげることではないでしょうか? 愛をもって「受け入れられる」ことを学んだ子どもたちはきっと、今度は自分が「受け入れる」側にまわって、次の子どもたちの可能性を伸ばしてくれるでしょう。

親力強化レッスンの4つのポイント

「集団行動ができない」というお子さんの場合のレッスンは

1. 何が何でも集団行動をさせなければならない、という思い込みを外す
2. 単なるわがままなのか、能力的に無理があるのかを見極める
3. その子のペースでできる範囲を少しずつ広げていくようにする
4. 集団行動が苦手でも受け入れてもらえる環境を探す、選択する

です。

今回は一般的にこうすればいいよ、という話はやめにしました。それはどこかほかのサイトでも書かれているでしょうから。とにかく、今、そしてこれから子どもを育てるママたちには、わが子を今までのルールや常識に当てはめる教育ではなく、その子の個性、ペースに合わせた教育の仕方や、枠にはめずにその子の可能性、興味関心を最大限に引き出す教育の方法を探し出すなり、自ら工夫してつくりだすなりしていただきたいと思います。それは簡単なことではないかもしれませんが、未来を切り開いて生きていく子どもたちを育てるためには、もっとも重要なことだと私は思っています。

profile

谷 亜由未

プレシャス・マミー メンターコーチ
株式会社プレシャス・マミー 代表取締役。1児の母。
名古屋市立女子短期大学卒業後、富士通株式会社に勤務。26歳で出産、3年間の専業主婦の後、仕事に復帰。自宅にて学習教室の運営などを経た後、2006年6月、41歳で人と組織の活性化をサポートする株式会社ミュゼを設立。コーチング、インプロを使った企業研修の他、PTAセミナー や子育て講座で数多く講演。ひとり息子が塾なし、すべり止めなしで東京大学理科Ⅱ類1本受験で現役合格したのを機に、子育てのノウハウとコーチングをミックスしたプログラムを確立。2010年3月にママであることがキャリアになる日本を目指した株式会社プレシャス・マミーを設立。東京、大阪、名古屋にて、コーチ養成講座、トレーナー養成講座を開講。全国に認定プレシャス・マミーコーチ、トレーナーを生み出す活動をしている。現在は認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。
認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。2014年に開始したeラーニングも好評。3年間で300名の受講生を生み出している。2015年夏からは、逗子のリゾート地にて、ママの人生をきらめかせる講座を開講中。ママたちが楽しみながら自分を磨ける楽しいイベント、セミナーを随時企画している。またわかりやすく楽しい講演も人気があり、日本のみならず、海外でも積極的に講演を行う。

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