小学生ママ

「怒ると叱るの境界線がわからない」ママの場合のレッスン

東大脳育成コーチ谷亜由未の子どもを伸ばす親力強化レッスン

今年もあと1か月を切りました。来春は天皇陛下の譲位が行われ、年号も新しくなります。天皇陛下が変わられることで、きっと日本のエネルギーも大きく変わっていくことと思います。とても楽しみです。

感情に任せて言うのが「怒る」、よくないところを指摘するのが「叱る」

さて12月1本目は、「怒ると叱るの境界線がわからない」というママの場合のレッスンです。まずは「怒る」と「叱る」を辞書(大辞林第三版)で調べてみると、

怒る
1. 腹を立てる。立腹する。いかる。
2. しかる。〔動詞「おこる」は自動詞で、「…をおこる」とは言えない。それに対して「しかる」は他動詞で、しかる相手が存在する。相手は動作者よりも目下の者で、動作者は教育的な立場から行い、意図的におこったようなこわい顔をすることはあっても、原則として非感情的である〕

叱る
1.(目下の者に対して)相手のよくない言動をとがめて、強い態度で責める。
2. 怒る。
3. 陰で悪口を言う。
(※引用は例文など、省略しています)

これを見ると、怒るの中に叱るの意味があり、叱るの中に怒るの意味がありますから、怒ると叱るの境界線はわかりづらくても当たり前ですね。でもよく読んでみると、違いを表す説明があります。「怒る」の説明の最後に「原則として非感情的である」とあるのと、「叱る」のところに、「よくない言動をとがめて」というところです。つまり、感情に任せて自分本位で言い放つのが「怒る」、相手の言動のよくないところを指摘することが「叱る」と言い換えることができるでしょう。

ポイントは「感情」と「言動」です。「もう、ホントにあなたはダメな子ね」というのは、言動を指摘していないので「叱る」ではないのです。Youメッセージ(あなたが主語の文)で人格を否定するような言い方は、子どもを傷つけますし、子どもの自己肯定感やセルフイメージを低くしてしまうので、もっとも注意したい言い方です。

また感情に任せて言い放つのは、決して子どものためにはならず、愛からの行為ではないことを心得ておきましょう。

感情から離れて、冷静に、本当はどうすればよかったのかを伝えること

もうひとつ、「叱る」は「然(しか)るべき姿を伝える」と私はコーチングを学ぶ中で教わりました。本当はどうすればいい(よかった)のか、この要素が入っているかどうかが大きな違いだとも言えますね。

具体的な方法については、以前のコラム、「感情的に怒ってしまうママの場合のレッスン」でも書きましたが、よい叱り方のステップは、

(1)今、何をしたのか
(2)それを見て、ママはどう感じたか(感情)
(3)なぜいけないのか
(4)次からはどうすればいいのか

です。

たとえばお子さんがお友達をたたいてしまった場合、

(1)今、○○くんをたたいたよね?
(2)ママはたたいているあなたを見て、悲しくなった
(3)あなたはお友達にたたかれたらどう思う? 嫌な気持ちになるよね? 人にされて嫌な気持ちになることをする
   のはよくないわ
(4)もしまた、たたきたくなるようなことがあったら、一度深呼吸して、どうしてたたきたくなったのか、考えて
   みてね。そして言葉で伝えてみよう

と、こんな感じになります。
(注:本当はどうしてたたきたくなったのか、(3)の前に聴いてあげることが大事)

もちろん、このステップを知ったからと言って、とっさの時にすぐこんなふうに伝えることは難しいかもしれませんし、こう伝えたらお子さんがすぐに変わるかと言えば、そんなことはないかもしれませんが、どちらも訓練、積み重ねです。

「どうやって叱るのがいいのだっけ?」と、一瞬でも考えると、それによってママの方が感情から離れて、冷静になれるというメリットもあります。またあらかじめ、「また怒ってしまった…」と思うシーンを言い換えて、シナリオを作っておくという手もありますし、この4つのステップを紙に書いて、目につくところに貼っておくだけでも意識しやすくなりますね。

とにかく怒ってしまうことで悩んでいるのなら、いつもと違う方法を試してみること、言動を変えてみることがママ自身の成長になります。

親力強化レッスンの4つのポイント

「怒ると叱るの境界線がわからない」ママの場合のレッスンは、

1. 自分の感情に任せた言動ではないか?で判断する
2. 人格否定ではなく、行動に対して指摘しているかで判断する
3. 然るべき姿を伝えているかで判断する
4. そこに愛はあるか? 子どもと自分の成長につながるか?で判断する

です。

怒ると叱るの違いなんて、私はコーチングを学ぶまで考えたこともありませんでした。だから息子が小さい頃は、怒りまくっていました。息子の心をずいぶんと傷つけてしまったなと反省しています。でも今は、自分の感情とその原因に向き合うクセがついてきていて、腹の立つことが減ってきています。本当は腹が立った時は、ママ自身が自分と向き合うことがとても大切なのです。どうか心穏やかに、笑顔で年末が過ごせますように。

profile

谷 亜由未

プレシャス・マミー メンターコーチ
株式会社プレシャス・マミー 代表取締役。1児の母。
名古屋市立女子短期大学卒業後、富士通株式会社に勤務。26歳で出産、3年間の専業主婦の後、仕事に復帰。自宅にて学習教室の運営などを経た後、2006年6月、41歳で人と組織の活性化をサポートする株式会社ミュゼを設立。コーチング、インプロを使った企業研修の他、PTAセミナー や子育て講座で数多く講演。ひとり息子が塾なし、すべり止めなしで東京大学理科Ⅱ類1本受験で現役合格したのを機に、子育てのノウハウとコーチングをミックスしたプログラムを確立。2010年3月にママであることがキャリアになる日本を目指した株式会社プレシャス・マミーを設立。東京、大阪、名古屋にて、コーチ養成講座、トレーナー養成講座を開講。全国に認定プレシャス・マミーコーチ、トレーナーを生み出す活動をしている。現在は認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。
認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。2014年に開始したeラーニングも好評。3年間で300名の受講生を生み出している。2015年夏からは、逗子のリゾート地にて、ママの人生をきらめかせる講座を開講中。ママたちが楽しみながら自分を磨ける楽しいイベント、セミナーを随時企画している。またわかりやすく楽しい講演も人気があり、日本のみならず、海外でも積極的に講演を行う。

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