小学生ママ

片づけ途中ですぐに興味がほかに移る小2息子。どうしたらいい?

片づける途中に、別のものがあるとそちらに興味が移ってしまう息子。注意し過ぎてイライラします

 

小2の長男は、最近ダラダラすることが多くなって困っています。宿題を広げてやり始めるかと思えば、何か違うことをやり、終わったらすぐにランドセルにしまえばいいのに、いつまでも出しっ放し…。私に言われて動くのですが、その最中にも、何か興味があるものを見つけると、また動かなくなります。
でも「宿題が終わったら、お菓子が食べられる・遊べる」という楽しみが待っていると、ものすごいスピードで明日の準備まで終わらせます。 おもちゃやゲームを片づける時もそうです。
片づけはきょうだいで一緒にやるのですが、長男は言われてもブロックをひとつ片づけるぐらいで、あとはきょうだいに任せきり。下に3人の弟・妹がいて、「お兄ちゃんはやってないからズルイ」と言われても、片づけようとせず、やっているふうで誤魔化しています。
ひとつの行動が終わるまで、何度も何度も言い過ぎて、毎日イライラしますし、何も言わなければいつまでも動かない、ランドセルも片づけず、寝る頃になって「寝るの待ってぇ」と泣きながら言ってきます。
「また止まっているよ」などと教えてもダメ、注意してもダメ、見放してもダメ。どうすれいいのでしょうか?(ぱらぱら子)
まずは、短期的なごほうびで取り組ませましょう

 

お子さんは、片づけの能力がないわけではないと思います。なにしろ、お菓子などのごほうびがあると、早く終わらせることができるのですから。

最近の研究では、長期のごほうびより、短期のごほうびの方が効果的と言われています。つまり、1か月後に「○○してあげるよ」より、すぐに何かをもらえる方が、子どもは頑張ることができるということです。短期のごほうびでやらせることで、まずは片づける習慣をつけるとよいでしょう。

片づける途中に、別のものがあるとそちらに興味が移ってしまうというのは、集中力に欠けているとも言えますが、別の見方をすれば、さまざまなものに興味があるともいえます。小学校2年生の発達段階からいえば、そうした子は結構多いと思います。ですから、片づけの前に興味をひきそうなものがないかどうかを確認し、そうしたものがあったら、先によけてしまうのも手だと思います。

また、下の弟や妹に任せて、片づけないということがないように、お兄ちゃんの分は残しておくようにして、分担をはっきりさせておくことも必要です。片づけの順番などを大きな紙に書いておくことで、見通しがもてるようになります。「今、どこまでやったか」「どんなことが残っているか」がわかるようにするとよいと思います。

 
次の段階では、ごほうびがなくてもできるようにすることや、興味があるものがあっても片づけをできるようにすることです。そのためには、「何分でできるようにする?」と、自分で決めさせましょう。

大事なのは、親の言うことを聞く子にすることではなくて、自己決定をし、そのことに向かって努力できる子にすることです。今の子どもは、自己決定権が奪われていることが多いと思います。自己決定権を保障してあげなければ、自分の人生を切り拓ける子にはならないのです。

片づけを通して、見通す能力を育てましょう
ちょっと脱線してしまいますが、私は若い頃、マンション建設工事現場でアルバイトをしたことがあります。電気配線が終わったあとに壁の枠組みを作り、そこに板を張りつけていきます。そこに壁紙を貼っていくと、部屋らしくなっていきます。

そこには内装をしていた大工さんが数人いました。私がついた大工さんは、とにかくどんどん仕事を進めていくのですが、失敗も多いのです。コンセントの配線を忘れていたり、打ちつけた板の寸法が合わなくて、はがしてやり直したりしていました。

同じ階で仕事をしていた別の大工さんですごい人がいました。マンションは部屋ごとに間取りのパターンが異なります。その大工さんは、いくつかの部屋をのぞいて、パターンを覚えたあと、30分から1時間近くも考え込みます。おもむろに立ち上がったかと思うと、ものすごいスピードでどんどん内装工事を始めます。そのスピードが速いのです。私のついた大工さんが1部屋終わる頃には、3部屋が終わっているありさまです。

それを見て驚いた私は、休み時間に「どうしてそんなに早く内装工事ができるのですか?」と聞いてみました。すると「最初に部屋を見て、どの部屋から始めるかを考える。そして、似ている部屋をまとめて工事をしていく。最初にジッと考え込むのは、内装工事の部屋の順番だけでなく、1部屋の内装の工程の順番を考え、頭にたたき込み、覚え込ませる。そうすれば部屋の内装図を見なくても、早くできるようになる!」と答えてくれました。

私は「すごい」と思うと同時に、「本当の職人というのはこういう人をいうのだな」と感心しました。見通す能力が身につくと、もともとある力が開発されていくのです。

片づけという行動は、家をキレイにするだけでなく、見通す能力を育てることにつながります。勉強ができるかどうかはもちろん大事ですが、見通す能力を育てることの方が、結局は子どもの学習能力を幅広く育てることにつながります。

一つひとつのことを、ていねいにやり遂げていく力を育てていきましょう。食事を作ることができる、ボタンつけができるなど、生活能力をつけていくことが、自立していくには必要なのです。

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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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