小学生ママ

暴言を吐く友達に悪い影響を受けないか心配…どうしたらいいの?

気性が激しく、暴言を吐く友達とのかかわり方について困っています


小2の娘の友達(女児)は、非常に言葉づかいが悪く、1年生の頃から、上級生に向かって「バカヤロウ!」などと暴言を吐き、気性が激しいです。仲良くしている娘には、そういったことは言わないようですが、担任の先生からは、娘がその子の影響を受けないか、心配していて、注意深く見ていますと連絡をもらうことがあります。
また毎日の遊びは、すべてその友達が決めるようで、本当は娘も遊びたいものがあるはずなのに、誘われたら断れないようなことを言っていました。 親としては、その子とのかかわり方は見守るしかないのでしょうか。何かうまく助言してあげられることはないのかなと悩んでいます。(ぴよこ)
家庭の困難さを抱えている可能性があります。見捨てずに距離を取る方法を


2年生でありながら、1年生の時から上級生に向かって「バカヤロウ!」などと言うのは、なかなかないケースです。それに加えて担任の先生が、「娘さんが影響を受けないか心配」と伝えているのですから、本人に注意しても聞かないだけでなく、家の方に状況を伝えても聞いてもらえない現実があるということだと思います。

しかし、娘さんには暴言を吐かないのですから、ある程度、心を許せる友達なのだと思います。ただ、娘さんが遊びたいものがあるのに、強引に自分の遊びにもって行くとするなら、そうした関係は長続きするものではありません。まずは娘さんに「私は○○をして遊びたいけど、ダメなの?」と言わせるようにしてください。それでも変化がなければ、「私の言うことを聞いてくれないのなら、しばらく遊ぶのをやめよう!」と言わせください。どうしても娘さんが言えないのなら、かわりにお母さんが伝えてもよいと思います。「あなたの遊びたいものばかり押しつけるのは、どうかと思うわ。遊びというのは、お互いが楽しくないと続かないよね。そこをわかるようになると、みんなでの遊びがもっと楽しくなると思うよ。どうかしら?」と、相手の行動の変化を促すようにするとよいと思います。

また、このお子さんは自己中心的で、強引な面があるようです。場合によっては、ほかの友達と遊んだり、その子と、娘さんの友達と、娘さんで一緒に遊ぶようにしてもよいと思います。1対1だと強く出ますが、2対1になれば言うことを聞くようになるか、遊びから抜けて帰るかの選択になります。それでもうまくいかなければ、その子と距離を取るしか方法はありません。お互いの言い分を言い合い、妥協点を見つけていくという経験の積み重ねで、社会性が育っていくのです。トラブルを解決していくことを通して、人は成長していくものなのです。

その子を孤立させず、よい所を指摘してあげる努力を
こうしたお子さんの場合、家庭に何らかの問題があるケースが多いです。「放任」「育児放棄」「子どもに否定的な言葉を投げつける」などの可能性もあります。

他人に「お前なんか死んじゃえ!」とか、「バカヤロウ!」などの言葉を言うのは、まだよいのです。他者に攻撃が向いているからです。逆に「私なんていない方がいいのだ」とか、「生きているのが面倒くさくなっちゃった!」など、自分に向かって攻撃的な言葉を言うようになったら、要注意です。「自分は無価値な存在だ」と思うのが、人間にとっては精神的にきついのです。

相談者さんにこうしてほしいというわけではありませんが、問題のある子どもを排除しないでほしいとは思います。子どもは基本的に「わざと嫌われよう!」とはしない存在です。大人にとって好ましくない態度を見せるのは、「自分のことを見て!」「自分のことをかまって!」というサインなのです。

私が担任した子どもで、優しかった女の子が急変し、「バカ!」とか、「あんたなんかキライ!」と言うようになった子がいました。くわしく聞いてみると、離婚して、お母さんが子どもを置いていなくなってしまったと、涙ながらに語ってくれました。

家庭の中で恵まれない状況にある子どもは、どうしても「自己否定感」をもってしまいがちです。だからこそ、地域でその子を見守ってあげることが大切です。「あなたのいい所を知っているわよ」とか、「あなたは本当は優しい子なのよね」といった、肯定的な言葉をまわりの大人がかけてあげてほしいのです。 

もちろん、学校の先生にもそのことを伝え、大人や他人の愛情で包んであげてほしいです。中学や高校と、年齢があがっていけばいくほど、問題行動を直すのは難しくなります。ただ、こうした対応をしたからといって、その子が変わるとは限りません。しかし「自分を信じてくれた大人がまわりにいたな」という思いがあれば、子どもはどこかで必ずその思いをテコにして、立ち直っていくことができるのです。ぜひとも、担任の先生と地域の方々とで、どのような対応をしたらよいかを話し合ってみてほしいと思います。

「ピグマリオン効果」というのがあります。これは米国の心理学者ローゼンタールがやった、教師が期待をかけた生徒と、そうでない生徒では、成績の伸びに明らかな違いが見られたという実験結果です。このことから他者への期待値が、その後の成長を決定づける大きな要因のひとつになると考えられ、ギリシャ神話の登場人物の名前をとってつけたものです。別名「まなざし効果」ともいわれています。他者の期待を込めた優しいまなざしが、子どもを変えていくのです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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