小学生ママ

乱暴で、友達を引っかいたり、叩いたりする子への対応はどうしたらいいの?

いきなり殴り、遊具から落とすお友達がいます。どうすればいいですか?


小1の男子です。クラスに問題のあるお友達がいます。 男の子で、少々乱暴なところがあり、いきなり背中を殴ったりするそうです。この男の子と幼稚園が一緒だった子のママからは、「要注意」と言われました。この男の子のママも悩んでいたそうですが、年長になってもお友達を引っかいたり、叩いたりしていたそうです。
うちの子も、いきなり殴られるから、違和感はあるようなのですが、おふざけ程度に殴り返しているようです。親としては「やり返すのではなく、いけないことを教えてあげるといいよね」と子どもには言うのですが、それは子どもには難しいのでしょうか。
先生はクラスのみんなに、「このお友達は薬を飲んでいて、みんなが騒ぐと効かなくなる薬だから、静かに過ごしてください」と言ったそうです。親から子どもに何かアドバイスできることはありますか?(小一ママ)
発達障害の可能性があるのでは…


「薬を飲んでいる」という先生のセリフからも、何らかの発達障害をもっている可能性が高いと思われます。発達障害の子どもへの対応は、環境が第一です。それにもかかわらず家庭や学校・園で著しい適応障害がある時や、自己や他者に身体的危険が及ぶ可能性が高い時などは、薬を使用することがあります。

自閉症スペクトラムの子どもは、環境理解の悪さ、因果関係の理解困難などから、物事の見通しが立たず、つねに不安な状態にあることが多く、イライラ感やパニックを引き起こします。また、状況判断の間違い、コミュニケーションの障害から被害感を生じ、乱暴な行動、攻撃行動、多動性・衝動性や不注意が見られることもあります。この攻撃行動が、内に向かえば自傷行為となります。

質問から察するに、「こだわり行動」が強く出ているように思います。「こだわり」がひどくなる原因として、子ども自身が、環境や友人との接し方への理解ができていないことが考えられます。つまり、「いいことと悪いことの判断がつかない」、「お友だちへの接し方がわからない」ということです。

そうはいっても、薬を適切に飲み、少しずつ社会的な仕組みを教えていけば、かなり改善することも分かってきています。実際に、何らかの発達障害を抱えながらも、適切な治療を受けながら社会生活を送っている人も数多くいます。ただし、かなりの生きづらさを抱えながら、苦しんでいますから、そのことの理解をしていくことが大切だと思います。

生きづらさに共感する
何といっても一番苦しんでいるのは、この「発達障害を抱えている1年生の男の子」なのです。「どうしてみんなは離れていくのだろう」「どうして僕がそばにいくと、お友だちはイヤな顔をするのだろう」と1年生なりに悩んでいるのです。

発達障害を、親の子育ての責任には絶対しないでほしいです。発達障害を抱えた子どもを育てるのは、私たちが想像する以上に親が苦しいものなのです。そこに追い打ちをかけるような「どんな育て方をしているのかしら…」という言葉ほど、残酷な言葉はありません。

「この子は、どうしようもない子だ!」と決めつけることだけはやめてほしいのです。ただでさえ、社会性が未成熟なのですから、社会性が育つ環境を奪わないでください。

その子の表情を読む
発達障害の子どもは、すぐに変わることはできません。適切な治療と、包み込む受容的な関係が、その子の成長を促すのです。

暴力をふるったり、考えられない行動をする時には、その子なりの理由があります。つまり、突然スイッチが入ったように見えても、その前に原因があったり、予兆があるものなのです。その予兆を読み取るのは、小学校1年生では難しいかもしれませんが、スイッチが入った瞬間はわかるはずです。その時には、スッと距離をとることが大切です。その後、「〇〇くん、今、怒ろうとしていたでしょ!」という形で、お友達から見えたその子像を伝えていくことが大切です。時間がかかりますが、それが一番の近道です。こうしたことができるようになると、その子だけでなく、ほかの子どもにもメリットがあります。相手のことを察知する能力が育つからです。

また、「イヤなことはイヤ」と言ったり、「〇〇ちゃんのそういったところはいけないと思うよ!」と、きちんと伝えていくことです。その際に、その子の人格そのものを否定する言葉をいわせないように教えてあげましょう。

また、発達障害の子どもは、クラス全体で取り組む課題でもあります。その子のお母さんの思いを聞き、どうすればよいかを考える時間を、クラスでもってもよいと思います。そのお母さんを糾弾するのではなく、わが子もその子も含めて、ともに育ちあうにはどうすればいいかを考える保護者会を開くのはいかがでしょうか。

担任の先生も、必ず悩んでいるはずです。ぜひ担任の先生と話し合ってみてほしいと思います。

「バリアフリー」という言葉があります。これは、障害をもっている人のために、環境を整えるだけでなく、心のバリア(障壁)を乗り越えるという意味も含まれています。子どもも大人も、子育ての在り方を学ぶよい機会と考えてみてほしいと思います。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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