小学生ママ

不満や言いたいことが「怒り」になるわが子。どうしてそうなるの?

逆ギレするわが子。心穏やかに過ごしてもらえない…。どうしたらいい?


小1の娘ですが、最近とても怒りっぽいです。 朝、起床時間より少し早く、寝室の隣の部屋の電気をつけたら、「何なの! 起きろっていうの!?」と怒ります。
片づけをしない物は捨てると言うと、「じゃあ図書館の本も捨てるのね!? そしたらお母さんも怒られるんやで! いいんやな!?」と逆ギレ。
登校時に自分がボーっとしていて、グループのみんなが先に出発しかけると、「何で置いてくの!」と怒るなど、 私から見ると逆ギレだったり、なぜそんな言い方をするのかと思うことばかり…。
その都度「そんな言い方をしないで、普通に言えばいいでしょ。そんな言い方されたらイヤな気持ちになる」と言うのですが、伝わっているのかいないのか…。 学校では、そういう言動はないようですが、私や下の子、昔からの一部の友達に対しては、しばしば攻撃的な言い方があるようです。不満や言いたいことがあるなら伝えてくれたらいいのですが、なぜそれが「怒り」という形になって出てくるのでしょうか。 悲しくなるし、こういう性質なのかと思うと、先々の人間関係も心配になります。もっと心穏やかに過ごしてほしいです。(みやこ)
「過剰適応」の可能性があるのでは?


最近ということは、2学期の後半あたりからだと思います。小学校では、「自分のことは自分でする」「自分で責任をもつ」という教育をします。また、それが自立していくプロセスには大事なことです。幼稚園や保育園のように、手取り足取りやってくれるということは少なくなります。

小学校で子どもたちによく言われる言葉に、「5分前行動」というのがあります。つまり、「言われる前に行動する」ということです。起床時間より少し早く起こされるということは、学校と同じ要求のように感じてしまっているのかもしれません。また、図書館の件でも、「読み終わったら、元の本棚に戻す」と言われている可能性もあります。登校時にボーッとして、遅れがちになるのも、「今日も学校でしっかりしなくちゃ!」という方向に意識がいっているのかもしれません。

つまり、学校での要求に過剰に適応しようとしているお子さんの姿が浮かび上がってくる気がするのです。こうした子どもの状況を、「学校に対しての過剰適応」といいます。「過剰適応」とは、まわりの価値観や反応に合わせようとするあまり、自分の要求や願いを抑えつける状況をいいます。

自己中心的で、わがまま、面倒をかけるのが子どもの仕事
親は誰でも、自分の子どもが良い子であってほしいと望んでいます。では「良い子」というのはどんな子どもでしょうか。親の言うことや、教師の言うことをよく聞き、面倒をかけない子どものことではないでしょうか。

しかし、そんな子どもはめったにいませんし、そうしたことは元来ムリなのです。子どもというのは、実はものすごく自己中心的で、わがままな存在です。

赤ちゃんの時を考えてみてください。大人の都合に関係なく泣きわめくし、お腹がすけば大泣きをする。おむつを替えたばかりなのに、またうんちをする。気持ちがまいってしまうことがたくさんあったのではないでしょうか。

しかし、赤ちゃんの時に出すサインを、親がきちんと読み取ってあげることで、「自分の思いをくみとってくれる存在が近くにいる」と考え、親への信頼感を育てていくのです。小さい時に手をかけてあげた子どもの方が、きちんと育つのです。

手をかけるべき節目は、2~3歳頃、就学前後(5歳から小2程度)、思春期の3つがあります。この就学前後を、私は「中間反抗期」と呼んでいるのですが、結構難しい時期です。言葉もかなりしっかりしてきて、自己主張をするようになってくるからです。

学校に適応することはもちろん大切なことですが、子どもに「良い子」であることを強く願うと、様々なひずみが出てくるのです。親や大人に面倒をかける存在。それが、子どもという存在であることを改めて理解してほしいと思うのです。

「自分で責任をもつ」というストレスが、イライラを招いている
相談者さんのお子さんは、「自分で責任をもつ」という思いが強すぎるのだと思います。不満や言いたいことが「怒り」になってしまうのは、自分のイライラ感がどこからくるのかをわからないからなのです。

そうした子どもに、「心穏やかに」とか、「やさしい言葉で」などと言っても、改善することはあり得ません。それよりも、「何かあったら、一緒に考えようね」、「失敗してもいいのだよ。失敗した時には、どうしたらいいかを考えてあげるよ」という言葉が大切なのです。「学校で失敗したら、担任の先生と話し合うようにするから、大丈夫だよ!」と伝えてあげることも必要です。

 
子どもが不満や、言いたいことを言ってくれるようにするためには、次の8つの方法があります。

1. 子どもの言葉を繰り返してみる
  「くやしいんだ」に対して、「くやしいの」と子どもの言葉を繰り返す
2. 相づちを入れながら聞く
  「そうなんだ」とか、「へぇ~」、「うんうん」などと相づちを入れる
3. 話を聞くときには、『聞き手モード』に
  子どもの話を、まず受け止める。「それは違うよね」と意見をはさむことを前提に聞くのは、『話し手モード』と
  いいます
4. 共感する言葉からはじめる
  「大変だったよね」といった共感の言葉から話を始める
5. 子どもに言葉を返す
  「へぇ~、その時にどんなことを思ったの?」と子どもの思いを引き出す
6. ミラーニングの技術
  鏡のように、嬉しかったら嬉しい表情で聞き、悲しかったら悲しい表情で聞いてあげることで、自分の話を聞いて
  くれるという思いをもたせる
7. 視点を変える言葉を言ってみる
  「その時に、ほかの子は何て言っていた?」などと、別の角度からの見方を提示する
8. 子どものイマジネーションの世界を大切にする(ウソと想像の違いを大切にする)
  大人にとって「ウソだ」としか思えないことを言ったとしても、とりあえず受け止め、そのウソが面白かったら
  一緒に楽しんであげる

こうしたことを考えながら、子どもの思いを引き出すようにして下さい。とにかく、子どもの思いを聞き出すことを丁寧にやってください。

子どもに問題が起きていることは、悪いことではありません。むしろ、子どもを変えていくチャンスだと考えてほしいのです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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