小学生ママ

こだわりが強く、自由な発想が苦手な小1の息子、このままでいい?

「こだわり」が強く、図工作品が授業時間内に終わらない…。対処法を教えてください


小1の男の子です。 ひとつのことに時間をかけ過ぎて心配です。 特に図工。元々こだわりグセがあるうえ、自由な発想が苦手らしく、作品を取り組むまでに悩み、作り出すとこだわるので、大体、授業時間内に終わらないそうです。休み時間も制作していて、友達とも遊べないこともしばしば。
「こだわり」があることはいいことだと、幼稚園までは自由にやらせていましたし、幼稚園もそのように対応してくれていましたが、小学校生活でもそれでいいのか悩んでいます。子どもなりに頑張っているようで、時間の使い方や制限などを説いても「それでも終わらないのだ!」と言われてしまいます。(さくら)
「こだわり」はおおいに結構!丁寧にやりきることが大切


何かをなす人間は「こだわり」が強い場合が多いです。こだわりがあるから、ひとつのことに集中し、成功することができるのです。

自由な発想が苦手ということですが、小1という年齢を考えると、「自由に考えていいよ」というのは、なかなか難しい課題です。「どうしようかな?」と考えている間に、時間が過ぎてしまうパターンなのではないでしょうか。「創り出すとこだわる」ということですが、何にこだわるのでしょうか。出来栄えにこだわるのでしょうか、それとも、最後までやりきることにこだわるのでしょうか。

たぶん、両方なのではないかと思います。それでしたら、大丈夫です!「なかなか始められず、適当に考えた物を作り、出来栄えも悪い」というのが、一番心配です。丁寧にやりきることを覚えさせることが、この年齢ではとても大事です。休み時間を使ってでも仕上げる、友達と遊べなくても仕上げることを優先する。こんなことは、小1では、なかなかできることではありません。こうした点は、自信をもってよいのではないでしょうか。

「サッサとアイデアが湧き、素早く作り、しかも丁寧で、なかなかの作品を作る」なんて子どもがいたら、お目にかかりたいぐらいです。そんな理想的なお子さんは、どこにもいません。

最後まで仕上げることにこだわる子どもは、「非認知能力が高い」と言えるのではないかと思います。これからの工夫次第で、大きく変貌する可能性を秘めています。

アイデアを出すのに苦労する子どもへの対応
図工では作品を通して育てたい力があります。例えば、小1の最初の授業で「すきなものいっぱい」という学習があります。この課題の目標は、「『好きなものをたくさん描いて楽しむ』ことを通して、心を開き、 楽しく活動する力を培う」ということです。

ここでは、子どもの自由な発想を大切にしています。幼稚園などでは、作り方を教えてくれますし、先生が手助けをして仕上げさせてくれます。例えば、サンタさんになるように折り紙を折って、そこに顔を描いてみるといった、部分的な工夫になっています。それが、いきなり自由度があがるのですから、子どもがとまどうのも仕方がないことなのです。

相談者さんのお子さんの一番のネックは、「作り始めるのにものすごく時間がかかる」ということだと思います。私が小1を担任した時に、2時間続きの図工の授業で、1時間分考え続けて仕上がらない子どもがいました。時間が足りなくて仕上がらないということが続くと、最後まで仕上げる喜びを知らないまま、上の学年にあがってしまいます。最後まで仕上げる喜びを知ってもらうためには、1時間目の考える時間をいかに短くするかが必要だと考えました。

そこで、最初は図工の教科書をまねることから始めてみました。最初は、物まねでいいのです。「学ぶ」という言葉は、「真似る」という言葉から来ているくらいなのですから、それでいいのです。ただし、教科書の一部分だけは、自分で工夫してみるようにさせました。すると、時間内に仕上げることができるようになりました。

次に使ったのが「対話作戦」です。「どんなものが作りたい?」とか、「何を描いてみたいと思っている?」と質問しながら、漠然とした子どものアイデアを、はっきりさせていってあげました。それを続けていくことで、子どもは自分でアイデアをまとめていくことができるようになりました。

家庭でできる対話作戦
今は学級通信や学年通信、あるいは何らかのお知らせを通して、授業予定がわかるようになっています。ですから、前もって図工でどんな教材に取り組むのかもわかっているはずです。ぜひ授業の前に、家庭で教科書を開いて、どんな教材をやるのかを確認してみてください。

それを子どもと一緒に見ながら、「あなたならどんな物を作る?」と、丁寧に対話をしながら、アイデアをまとめさせてください。それをした上で、授業にのぞむようにさせてください。それが、授業中、変わってしまってもいいのです。ただ、家でアイデアをある程度考えてきていることが、子どもの自信になりますので、取りかかりが早くなるはずです。

そうしたことをしばらく続けたのち、少しずつ自分だけで考えられるように促していくことが大切です。子どものつまずきには、必ず理由があります。そのことに気づいてあげて、一緒に考えたり、フォローしてあげることが、大切なのです。

1年生の親は、ある程度子どもが学校の軌道にのるまで、丁寧に接してあげることが必要です。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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