小学生ママ

場所を構わず、大声を出します。どう対応したらいいでしょうか。

病院やエレベーターで大声を出します。小さな声でしゃべってくれないものでしょうか。


小1の息子が、病院やエレベーターなど静かにしないといけないところでわざと大きな声を出します。「病院では静かにね」「もう少し小さな声で話してね」と注意すると、大きな声で「うん、分かったー!」と言うので困ります。何故こうなってしまうのでしょうか。(クレセント)
子どもが聞かないのは「静かにする理由が分からない」から。親子関係に起因している場合も


(1) 静かにする理由が分からない

まず、「病院」や「エレベーター」などは静かにしなくてはいけないということが分からない、ということが考えられます。特に、「エレベーター」に乗るときに、どうして静かにしなくてはいけないのかが分からない子どもは多いと思います。「エレベーター」は、子どもにとってはとても不思議な存在なのです。だって、箱みたいのに入ったら、いつの間にか扉の前に全く別の世界が広がっている。子どもにとっては、身近な「どこでもドア」みたいなものなのです。

そんな不思議なものに乗っていながら静かに黙っている。子どもにとっては、そうしたみんなの対応が理解できないのです。

「病院」もまた、子どもにとっては不思議な存在です。白い服を着た人たち、あるいは同じ色の服を着た人たちが、動き回っているのです。「どうして?」「なんで?」と思うでしょう。

どちらにしても、子どもは不思議なものに触れると、興奮して大声になりがちです。大声は出すけど、走り回ったり他人に迷惑をかけるのでなければ、「興奮するのが当たり前」ぐらいの気持ちで、ドンと構えましょう。

 
(2) 小さい頃の親子関係のトラブルを引きずっている場合も

次に考えられるケースは、2つあります。

1つ目は、小さい頃、お母さんが産後の気分の落ち込みで子どもへの対応を十分できなかった場合です。

2つ目は、舅・姑などと子どもの育て方をめぐって意見の食い違いがあって、ご両親が困っている場合です。

こうした2つのケースに共通することは、子どもが大人の顔色をうかがうようになってしまう可能性があることです。お母さんや舅・姑などの様子を見る子どもになります。そのため、自分の思いを伝えることは置いといて「自分がしっかりと話を聞いているし、言いつけを守っているよ」ということを、必要以上に見せなくてはいけないと思い、大きな声で返事をするようになる場合があります。

そうすることで、他者から「しっかりしたお子さんね」と褒められるとお母さんが元気になりますし、舅・姑とのわだかまりも減ります。そうしたことを、敏感に感じ取るのが、子どもなのです。

その他、お母さんの元気がないときなどに、わざと元気な大きな声で励まそうとしている場合もあります。結局、「子どもは親のことを一番に考えている」といるのです。

子どもだって、親のことを考えているのです!
私は、子どもの健気さにいつも励まされてきたような気がします。ある小4の女の子が、心臓病のお父さんのことを書いてきた詩があります。お父さんは、重い心臓病をわずらい、バチスタ手術までしたのです。

お父さんの病気      Y子(4年)
 私のお父さんは、
 私が生まれた時から入院していました。
 でもなおりませんでした。
 2年生のある日
 お父さんと同じしんぞうの病気の人が、
 テレビで手術しているのを
 お父さんはいっしょうけんめい見ていました。
 少ししてお父さんは
 その同じ手術をしました。
 でもまだなおったわけではありません。
 お父さんの病気は、なおらない病気なのです。
 病院の先生も
 どうやってなったのか
 どうやったらなおるのか
 知りません。
 もし私の願いを1回かなえてくれるなら、
 「お父さんの病気をなおしてください!」
 とお願いしたいです。
 お父さんの病気がなおらないとわかっても、
 いつかは願いがかなうといいと思っています。

この女の子は、「お父さんの心臓が治るのなら、私の心臓と取り替えってしても良い」とさえ言っていました。お父さんやお母さんは、「子どものことをすごく考えている」と思っているのですが、子どもだってそれと同等かそれ以上に、親のことを心配しているのです。私たち大人は、そのことに気が付くべきだと常々思っています。

クレセントさんも、ご主人も、別に病気ではないと思うのですが、こうした健気さが原因で大声を出している可能性も考えてみてくださいね。

行動を「見える化」し、きちんと説明する
小学校などに行くと「声のものさし」という掲示が貼ってあるのを見たことがありますか?

学校では、それぞれの声がどんな場面に必要かを書いています。「1の声」は、「となりの人と話すとき」という具合です。これを生活の中で、利用してみるとよいと思います。持ち運べるぐらいの大きさにして、どんなときにどの程度の声が必要なのかを子どもと一緒に考え、作成してもらいたいと思います。

そして、「病院」のときは「1の声」など、「エレベーター」に乗る前や、「病院」に入る前などに、この図を使って説明しておきましょう。こうすることで、自分がどのような行動をとるべきなのかが「見える化」されるのです。「見える化」することで、子どもはより理解していくようになるのです。

大事なポイントは、どうしてその声でなければならないのかを、きちんと説明したり話し合ったりすることです。子どもにきちんと説明をしないでいて、「静かにしなさい」と言っても静かになるものではありません。

「見える化する」、これが子どもを変えていく大きなポイントです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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