小学生ママ

小3長男の家庭内暴力。対応が分からず、疲れてしまいました

強いかんしゃく持ちで、小1から家庭内暴力をふるうように…どうすれば?


小3と小1の年子男子2人の母です。長男が、小1の夏休みが始まる前頃から家庭内暴力をするようになりました。私が宿題の声掛けをしたり、注意をすると大怒りし、私を叩いてきたり、足で蹴ってきたり、洋服をつかんで引っ張り大泣きをし、暴れ狂うようになり、とても困っています。学校ではそのような行動はなく、優しい子だと担任の先生から聞きます。
生まれた頃から強いかんしゃく持ちで、何をやってあげても1日3、4回4時間ほど大泣きをしていたのが3年ほど続きました。4歳頃からやっとしゃべり始めましたが、幼稚園へ行っても、心配事は尽きませんでした。2月生まれというのもあるとは思いますが、かなり口うるさく余計に干渉をしてしまうのが、彼にとって苦痛になっているのかもしれません。心底悩んでいます。
(ありぃ)
どんな状況でも「スキスキメッセージ」を出す努力を!


ありぃさんのご相談は、大変なケースだと思います。小1の夏休みが始まった頃ということは、下のお子さんが4~5歳頃ですね。ちょうど、言葉も達者になり、いろんなことに興味を持つ時期です。おそらく、下の子どもにお母さんの気持ちがいってしまっていたのではないでしょうか。ありぃさんご自身も、上の子が小学校に入ることで緊張していたと思うのですが、1学期も終わり、慣れてきたのが見えてきたので安心してしまい、上の子とのコミュニケーションが少なめになってしまったのではないでしょうか。そのために荒れ始めた可能性が高いと思われます。

最初は、「かまってほしい」「イライラするから、ちょっといたずらでもしてやろう!」くらいの気持ちだったかもしれません。

「洋服をつかんで引っ張る」ということは、「自分を見て」「自分の方を向いて」「かわいがって」というメッセージ。学校では暴れないということからも、お母さんやお父さんの愛情を独り占めしたいがゆえの行動だと思われます。

長男・長女は、親がどうしても神経質に育てがちです。「生まれた頃からかんしゃく持ち」なのは、ある程度仕方のないことなのだと思います。しかし、いつの間にか「この子はかんしゃく持ち」というラベリングをしてしまうことがあります。

まずは、その見方を、「この子は愛情を独り占めしたい気持ちが強い子」という形で、少し見方を変えてみてください。それだけで、気持ちがラクになるはずです。

次に、暴れることがあったら、すぐに怒るのではなく、一呼吸置いてお子さんの気持ちが落ち着いた頃に、まず抱きしめてあげてください。そして、「あなたのことがだ~い好き!」と耳元でささやいてあげてください。物を壊したり暴力をふるっても、「あなたのことが好きだし、見捨てないよ!」というメッセージを送ってあげてほしいのです。

条件付きメッセージの中にある子どもたち
今の子どもは、条件付き愛の中で生きています。「勉強のできるあなたが好きよ!」「運動のできるあなたが好きよ!」「しっかりしているあなたが好きよ!」といったメッセージが山ほど、親や社会から送られてきています。このメッセージは、子どもたちに「勉強ができなくなったら、見捨てられてしまうのではないか」「運動ができなくなったら、嫌われてしまうのではないか」という“見捨てられ不安”を持たせてしまうのです。条件付き愛の裏側には、“見捨てられ不安”がコインの裏表のようにくっ付いているのです。期待は全て悪いとは言いませんが、期待という呪縛から抜けられずに、苦しんでいる子どもがたくさんいることも知っておいてください。

一般的に嫌われる子どもというのは、正直います。「どうしてこんなに嫌われることばかりするんだろう」と思ってしまいます。しかし、自ら嫌われようと思っている子どもはいないのです。好かれたいと思った行為が、結果的に嫌われる行為になってしまっているだけなのです。

こうした行為は大人には理解しがたいのですが、「そういう子なんだ」と理解する努力をしてほしいと思います。

家を空けられないお母さんからの相談
私が担任した小5の男の子のお話です。そのお母さんが、深刻な顔で私のところに相談にきました。

「先生、私は家を全く空けられない状況なんです。中1のお兄ちゃんがいるのは、ご存知ですよね。そのお兄ちゃんと弟が毎日ケンカをするんです」
「毎日ケンカするんですか。それは、大変ですね」と返事をしながら『まあ、兄弟ゲンカなんてよくある話だからなぁ~』と思いながら聞いていました。
すると、次のような衝撃的な事実が語られたのです。

「ケンカをする時に、台所から二人とも包丁を持ってきて、突き刺し合おうとするんです。どちらかが死ぬんじゃないかと思うと、私は二人が家にいる時には買い物にも行けませんし、近所に出かけることもできません。どうしたらいいでしょうか? 最初は口ゲンカなのですが、興奮し始めると止まらなくなり、どちらかが包丁を持ち出すと、もう一人が持ち出してきて、本気で突き刺し合おうとするんです。
お父さんが帰ってきて説教した時は、聞いたフリをするけど、結局ムダになります。どうしたらいいか、ホトホト困っています。こんなこと、他の人に相談できないし…」

今にも泣き出しそうな顔です。私は、正直どうしたらいいか分かりませんでした。ケンカの状況を詳しく聞いてみるとお兄ちゃんが、「オレはな、毎日ただでさえイヤな思いをしているんだ。これ以上、オレをイライラさせるんじゃないよ!」という言葉を言っていることが分かりました。

私はこのお兄ちゃんの言葉の真意が知りたくて、来てもらいました。しばらく黙り込んでいましたが、「中学の部活でうまくいっていないんです。みんなからシカトされるし、ぶったり蹴ったりされるんです。部活の先生に相談したのですが、『我慢しろ!』と言われるだけなんです」とポツポツと語り始めてくれました。

そこで、親にも伝えて部活を辞めることにしました。すると、嘘のようにケンカがなくなったのです。結局、部活でのトラブルといじめがイライラの原因だったのです。

私たち大人は、「最後までやりきりなさい!」とか「決めたことは頑張りなさい!」と言います。そうしたことが、子どもを追い詰めている場合があるのです。辛いことを我慢するのではなく、辛いことから逃げることを教えることも必要です。

ここで言いたいことは、「一つの現象を別の角度から見てみることで、打開策が見えてくることがある」ということです。

ありぃさんのお子さんの場合も、お母さんの気を引きたかっただけでなく、学校での出来事に原因があることも考えられます。かんしゃくを起こしたときは、すぐに怒ったりせず、「どうしたの?」「何かあったの?」と聞いてあげることも大切です。

親なんてみんな情けない存在です
私が小学校教師をしていた時に、たくさんの父母の方が相談に来られました。比較的早く解決する場合もあれば、解決に長くかかる場合もあります。しかし、どんな相談も親にしてみれば真剣であるということです。子育てには、悩みが尽きません。そして、解決しようと、七転八倒することが多いのです。

正直、親なんてみんな情けない存在なのです。子どもが大きくなったことに喜び、病気やけがをすればオロオロする。私はそんなオロオロする存在である親が、たまらなく愛しいと思えるのです。この連載の相談を通して親という存在への愛しさが増したような気がします。そして、あたかも自分の子どものことのように思えてくるのです。そうした気持ちで、今回も回答を考えてみました。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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