小学生ママ

クラスでいじめがあると分かったら

息子が学校でいじめられています。先生に解決してもらうには、どうすればいいですか?


小3です。息子のクラスで軽いいじめがあるようです。息子が断片的に話してくるので詳しいことは分からず、実際にいじめが行われているのかも分かりません。先生にうまく解決してほしいのですが、どのように伝えればいいのでしょうか?
(めめちゃん)
いじめの実態を正確に把握しよう!


「いじめ」というのは、実はとても見えにくいものです。今の子どもたちは、“「いじめ」は悪い”と知っています。これだけさまざまな機会にいじめのことが言われれば、3年生なら十分分かっているはずです。中には、「いじめは許さない学校」といった標語などを掲げている学校もあります。

“「いじめ」は悪い”という意識は、かなり子どもたちの中に浸透していますから、いじめを教師が見えない所で行います。また、いじめではなく、いじりやふざけのように振る舞うのです。合わせて、いじめのことを話さない雰囲気を作っていきます。私が担任した3年生では、いじめのことを私に話した子どもを、学校からの帰り道の公園で待ち伏せし、「チクったな!」と言って、蹴っ飛ばしていました。このように、最近はいじめが見えにくくなっているのです。

しかし、息子さんが断片的であっても、いじめられていると言っているとなら、それはいじめがあると考えてよいと思います。教師が見えていない場合もあるので、いじめの実態をきちんと親の方が把握する必要があります。

まずは、息子さんに「○月△日に、どんなことがあったか?」という形で、焦点化して聞いてみてください。次に、それを見ていた友達が必ずいるはずです。その友達からも話を聞いて、具体的ないじめの事実を集めていくようにして下さい。

そうした事実を箇条書きでよいのでまとめ、先生に渡して話をしてください。その際、担任の先生だけでなく、校長先生や生徒指導主任の先生などにも同席してもらうとよいでしょう。いじめをクラスだけの問題にせず,学校の問題として取り上げてもらう方が解決が早いからです。

また、担任によっては、きちんと解決する能力がないこともあるからです。

いじめの原因は“自分が不十分だという感情(不全感)”から
私が相談された例を紹介します。5年生のクラスで、Jくんが「みんなにいじめられるから、クラスに戻りたくない」と言ってきました。Jくんは、もともと落ち着きがなく、反抗的な態度をとったり友達を馬鹿にしたりするトラブルメーカーだったため、「Jくんがみんなにちょっかいを出しているのだろうな」と思いながら担任が話を聞いていたそうです。しかし、いじめている子どもの名前を聞き出し、それらの子からも事情を聞いていくうちに、Jくん自身が手を出しているだけでなく、集団でいじめている事実が分かっていきました。

いじめに荷担していた児童は、クラスの男子18人中Jくんを含めて10人にものぼっていました。いじめの中心人物であったYくんは、児童会役員でしたが、2学期後半から友達とのトラブルが増えていきました。この10人は、「DK」(団結という意味)というグループを作り、次の3つの決まりごとを作っていました。

(1)「一人でもやられたら、みんなでやり返す」(助け合い)
(2)「いじめる人を毎日決める」(スケジュール)
(3)「みんなで誰かを囲む」(拉致)

児童会役員で、クラスの良いリーダーと思われたYくんが、どうしていじめのリーダーになったのでしょうか。

調べてみると、Yくんがみんなに毎日1000円くらいのお菓子を渡したり、映画のチケットやカードを買ってあげていたのです。このお金は、家のお財布から盗っていました。

Yくんは、児童会役員をしていたのですが、そこに充実感は感じていなかったのです。Yくんは、他者をコントロールすることで得られる全能感を求めていたのです。他者は、自己とは別の意思を有した存在です。だからこそ、いじめ加害者は、他者の運命あるいは存在そのものをコントロールすることを通して、全能のパワーを求めるのです。全能感を求めるのは、不全感の裏返しなのです。Yくんは、常に親からも友達からも否定されることが多かったのです。だからこそ、お金を使ってでも他者を支配し、全能感を手に入れたかったのです。いじめをしていた10人ともが、不全感を抱いていることが分かりました。今の子どもたちはどの子も、日々の否定感の中で生きているのです。それが、「いじめ」の背景にあることを、押さえておく必要があると思います。

いじめ解決のためには
いじめの事実を明らかにするだけでは、いじめの解決にはなりません。いじめた子どもといじめられた子どもの関係だけに矮小化してはいけないのです。今は、誰がいじめの加害者になり、誰がいじめの被害者になるか分からないのです。いじめのターゲットが1週間単位で変わることはよくあることです。

ですから、いじめは絶対許さないということを、クラスや学年全体に指導してもらうことと同時に、いじめの加害者が抱えている不全感にどのようにアプローチするかを考えてもらうことが大切です。

場合によっては、この「放課後職員室」を見せてもよいかと思います。とにかく、子どもを守るのは、親であるということを忘れないでください。

 
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新刊「『いじめ・自殺事件』の深層を考える-岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として-」(本の泉社、1620円)発売中。



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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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