小学生ママ

学校でおもらしをして以来、ふさぎがちなわが子

おもらしから始まった不登校症状…どう声をかければいい?


小学1年生の女子です。普段からおとなしい子で、学校でも先生にあまり話ができないタイプです。先日、授業中にどうしてもトイレに行きたかったのに言い出せず、おもらしをしてしまいました。それが恥ずかしかったのか、朝学校に行く前に、おなかが痛い、頭が痛いというようになりました。失敗なんて気にしなくていい、と明るく伝えても、本人がずっと気にしています。どんな声をかけたらいいでしょうか?(ぷにゃ子さん)
ヘルプを言える能力を付けさせる


生まれつきおとなしいという子はいません。「私はおとなしい子です」といった表札をつけて生まれてくるわけではないのです。

つまり、おとなしいというのは、基本的に後天的なものなのです。では、ハキハキした子とおとなしい子の差は、どこで生まれるのでしょうか。どんな家庭教育の違いがあるのでしょうか。

おとなしい子のケースとして考えられるのは、何でもお父さんやお母さんが決めてしまったり、子どもの意見を表明するチャンスを奪ってしまっている場合が、一番多いように思います。子どもたちは、さまざまなことを自己決定していく中で「自分が働きかけていくことで周りが変わるんだな」という感覚を持つのです。つまり、インプットするとアウトプットするという因果関係があることを理解することで、自己有用感を持つのです。そういったことを繰り返すうちに自分は、外の世界に働きかけることができる人間であるという考え方を持つようになります。

その他には、「何でも自分でできるのがいい子」と親が思い込んでいるケースです。この場合も、おとなしくなってしまいます。なぜなら、「できない」とか「分からない」ということを言うと、親の表情が変わることを知っているからです。子どもというのは、結構親や大人の表情を読むものなのです。

今、子どもたちに付けたい力は、「ヘルプを言える能力」です。「助けて!」とか「困っているの」と言える力です。特に、「ここまではできるけど、ここから先はできないから、先生教えて!」とか「お母さん(お父さん)、教えて!」と言うことができるのが大切です。自立というのは、何でも自分でできるようになることではありません。「ここまではできる」といった見極めができ、その先には手助けが必要という判断ができるようになることなのです。

「おもらし」の事実を相対化する
私が、小学校の教員をしていた時によく書かせていた詩に「小さい頃の失敗を描いてみよう」というのがあります。子どもは、今現在の失敗というのは書けないものですが、ちょっと前のことなどはわりと平気で書けるものです。そして、そんな少し前の失敗をみんなで笑い合うことで、失敗が相対化され、「たいしたことないじゃん!」という気持ちになれるのです。

例えば、小学3年生が書いた詩を紹介します。

 
  おもらし
          S子(3年)
私がようち園の時、
休み時間に
おもらしをしてしまった。
おおぜいに見られたから、
すごくはずかしかった。

 
その他にも、たくさんの失敗を描き出しています。このように、詩に書くことで過去の事実が子どもの心の中でちょっと突き放され、とらえ直しをすることができるようになるのです。

こうした働きかけを、わが子にしてみることが有効な手立てになります。ぷにゃ子さんのお子さんは、小学1年生ですが、まずは幼稚園の時の失敗などを話し合ってみたらどうでしょうか。そうして過去のことを話し合い、「結構なんとかなったよね」とか「失敗したけど、その後、うまくやれるようになったよね」という形でとらえ直しをさせてください。

それから、少しずつ今の失敗を笑って話せるようになるように、徐々に持って行くことです。子どもの失敗は、ほとんどがたいしたことではありません。いや、今失敗をたくさんしたほうがいいのです。

社会に出たら、そうそう失敗が許されるわけではありません。大きな損失を会社に与えることだってあります。だからこそ、学校というのは失敗をしてもいいし、失敗から正しく学ぶ方法を知る場であるべきなのです。

親の失敗談を語る
親が、わが子の「おもらし」をどうにかしようとする前に、自分自身の小学校の時の失敗談を語ってあげてください。私だって、小学校の低学年の時におもらしをしたことがあります。そんなことを話してあげるだけで、子どもの気持ちは楽になるのです。

低学年の子どもは、心のどこかで「親や教師は失敗しないものだ」と思い込んでいる場合があります。そうではないこと。誰もが失敗を積み重ねながら大人になっていくことを、ていねいに話してあげてください。時間はかかりますが、必ず変わっていくことができるはずです。

 
【新刊】
新刊「『いじめ・自殺事件』の深層を考える-岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として-」(本の泉社、1620円)発売中。

先生への質問受付中

プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

関連記事

関連記事

キーワード検索

公式キャラクター

公式キャラクター

幼稚園関連サイト

  • こどもがまんなかPROJECT
あんふぁんWebは子育てママを応援しています。