小学生ママ

落ち着いた子どもにするためには?

家でも学校でもじっとしていません。自宅でできることはありますか


落ち着きがない小2男子です。家でもじっとしていることがなく、学校でも授業中に我慢できずにトイレに行ったり、教科書などを落としては騒がしくしている、と先生から言われてしまいました。落ち着いて座っていられるようにするために、自宅で親ができることはありますか?(にゃんさん)
落ち着かないのには、わけがある!


「わが子が落ち着きがない」という相談は、実はとても多いのです。脳のタイプは、次のようなタイプに分かれると言われています。

(1) 不活発型
物事に集中するのに必要な“興奮(アクセル)”の「強さ」と気持ちを抑えるのに必要な“抑制(ブレーキ)”の「強さ」が充分に育っていないため、ソワソワ・キョロキョロする

(2) 興奮型
“興奮(アクセル)”も“抑制(ブレーキ)”もある程度持っているが、バランスが悪く、“興奮(アクセル)”が優位

(3) 抑制型
興奮型とは逆に、“抑制(ブレーキ)”が優位。自分の気持ちを表現しにくい

(4) おっとり型
“興奮(アクセル)”も“抑制(ブレーキ)”の「強さ」もバランスが良いが、切り替えが発達途中

(5) 活発型
“興奮(アクセル)”も“抑制(ブレーキ)”の「強さ」も、バランスが良く、最も成人らしいタイプ

こうした5つのタイプに分かれるのですが、(1)が一番幼くて落ち着きがないタイプです。私が保育園で4歳児と5歳児を調査したところ、全体で(1)が61.3%、(5)に至っては6.7%しかいませんでした。それでも、5歳女児では(5)のタイプが17.1%となり、女児の脳の発達が男児より早いことが分かりました。また、5歳男児で(1)のタイプの場合、小学3年生になっても半分近くが不活発型の幼いタイプであることも分かりました。

ホルモン分泌が大事
元来、ヒトは5つの型の中でももっとも幼稚な型といえる「不活発型」からスタートし、加齢とともに子どもらしい「興奮型」の時期を経て、次第に成人らしい「活発型」に移行していくといわれています。

子どもの脳の成長にとって、眠りを誘う「メラトニン」の分泌は、心地よい眠りにとって貴重なものです。「メラトニン」とは、脳の松果体(しょうかたい)を呼ばれる部分から分泌されるホルモンのことですが、体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

朝、光を浴びると、脳にある体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、体内時計からの信号で、「メラトニン」の分泌が止まるようになっています。「メラトニン」は目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されるようになります。つまり、徐々に「メラトニン」の分泌が高まり、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになっています。

その「メラトニン」の分泌を保育園で調べたところ、散歩をした日としない日では大きな違いがありました。散歩をした日の夜9:00と翌朝の「メラトニン」を調べたところ、前日に散歩をした方が明らかに「メラトニン」の分泌が良く、しっかり眠れた段階で保育園に来ていることがわかりました。そして、散歩をしなかった時には、質の悪い眠りになるだけでなく、朝に「メラトニン」分泌のピークが来るため、非常に眠い状態であることがわかりました。

適切な運動と睡眠リズムを
子どもの「メラトニン」分泌がしっかりなされ翌日を迎えると、(5)の活発型が増えることが調査の結果、分かってきました。適切な運動(過度な運動はダメ)を通して「メラトニン」分泌を促し、心地よい睡眠を子どもに保障することが、子どもの脳の発達を促し、落ち着きのある子どもに育てていくのです。家庭で今すぐ取り組めることです。

もちろん、座れるようになるためのしつけを年齢に応じてしていくことも、大切です。忘れないでほしいと思います。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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