小学生ママ

だんだんかわいくなくなるわが子

言うことを聞いてくれないわが子がかわいく思えません


小学校3年生の男の子。だんだん言うことを聞いてくれなくなり、かわいいと思えなくなっています。悪いことをしても謝ろうとしないので、私もどんどんひどい言葉を投げかけてしまい…。言うことを聞かない息子とどう接したらいいでしょうか?
(雨子さん)
かわいくなくて当たり前


小学3年生ともなると、自分の思いや考え方がはっきりしてきます。また、親に対しても客観的に見えるようになるため、親に反発をするようになります。雨子さんのお子さんは、それまでは言うことを聞く良い子だったのでしょうね。だからこそ、かわいいと思えたのではないでしょうか。

今までのように、親に全面的に依存する関係から抜け出て、友達や他の大人との関係を作っていく時期になっているのです。この時期が大事。子どもは、親のペットでもなければ親の言いなりになる人形でもありません。

よく言われる言葉に、「依存しつつ自立していく」という言葉があります。それは、徐々に親や親しい大人に依存しつつ、自立を模索する姿のこと。人間は、甘えられる存在や受け止めてくれる存在がなければ自立していくことはできないのです。

3年生ともなれば、家庭以外でたくさんの人間関係を作っていかなければなりません。そうした豊かな人間関係が、その後の子どもの人生を決めるのです。それは、子どもにとってはものすごいストレスのかかる作業です。その時に、戻ってきても良いという居場所がないと、子どもは思いきった冒険をしたり、新しい人間関係を作っていくことができません。子どもは、居場所に戻ってきて、傷ついた心を癒やし、また新しい冒険へと旅立っていくのです。

言うことを聞いてくれなくなったのは、健全な発達の証拠。親も一緒に成長していかないと、子どもに置いていかれてしまいますよ。3年生の子どもがいたら、3年生の親になる努力をすべきなのです。「昔の言うことを聞いてくれが時代に戻ってほしい」と思っているとしたら、とんでもない思い違いです。

言うことを聞かなくなったことを、「あ~、健全に成長しているのね!」と見てあげましょう。子どもだって、一人の人間です。言いたいことや思っていることがあるのです。その発達の過程で、子どもがかわいく思えなくなる瞬間は、誰でもありますし、子育てをしている親の宿命なのです。

子どもとの同意形成を大切に
家庭では、いろいろな約束事があると思います。その約束事は、どのように決めているのでしょうか。親が勝手に決めて、「守りなさい!」と言っても、自分の意見を持ちつつある3年生の子どもは、そう簡単にはいきません。「勝手に親が決めたことを、どうして守らなくちゃならないの!?」という思いがあるのです。

NHKの「あさイチ」という番組に、「子どものうそ」で出演したことがあります。その時に訪問したご家庭では、6年生の子どもが約束を守らないからということで、なんと27項目もある「やることリスト」を作成していました。実際に私たち大人も、そんなにたくさんの約束を守れるわけがありません。それなのに、リストに挙がった項目をやらないと、「うそつき~!」と言って怒られるのです。子どもにとっては、たまったものではありません。

私は、お母さんと子どもを交えて話し合いをし、子ども本人の思いを聞き取りながら7項目に減らしていったところ、ちゃんとその7項目ができるようになりました。ここでの大事なポイントは、子どもとの合意を図りながら、約束事を決めていくこと。そうすれば、「あなたが決めたのだから、守りなさい!」と言えるのです。

親の言うことが価値あることなのかを考える
そして、もう一つ大事なことがあります。それは、「親の言うことが価値あることなのか?」ということ。守る方が自分にとって意味があると思えば、従います。親は、子どもに言っていることが本当に子どもの成長に必要なことなのか、それとも見栄で言っていることなのかを考えてみるべきです。

子どもは、大人の本音と建て前に敏感です。自分のためを思って言っていないなと思えば、心から従うことはしません。「3年生の親になる努力をするべきだ!」というのは、そうした理由なのです。

子どもの成長に合わせて、悩むことはたくさん増えていきます。子どもに判断を任せる時もあれば、長く生きてきた親がアドバイスをする時もあるでしょう。子どもがかわいく思えないのは、親の言うことを素直に聞かなくなったからです。そのことを悩む前に、子どもの言い分をきちんと聞いてあげているかを考えてみてください。そして、子どもの思いを聴いてあげてください。きっと、子どもとの新しい関係を創ることができるはずです。

親子関係は、何度も何度も創り直していくもの。そして、子どもは「かわいくなくなる権利がある」と考えてもらいたいのです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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