小学生ママ

荒れるクラスを改善していく

(前編はこちら)https://enfant.living.jp/schoolchildren/houkago/562200/

親の意識の反映

実は、「他者への規範意識」の低さの根本にある、他責などの感情は、多分に親の会話や意識が反映している場合が多いのです。親が、「〇〇君は悪い」「〇〇先生はダメ」といった形での発言を頻繁にすることを通して、「自分以外の人が悪い」という意識を植え付けている可能性があるのです。

実際、S先生のクラスで、いじめをしていた子どもの親に話をすると、「わが子も悪いかもしれないけど、他の子もやっている」「他の子はどうなんですか!」と言ってくるそうです。また、クラスの親全体が、子どもに対して否定的というより「無関心」。「無関心」というのは、究極のネグレクトです。子どもたちの自己肯定感が育たないのも無理はありません。

改善していくには子どもの「自尊感情」を育てていくこと
他者への規範意識の低さから荒れているクラスを改善していくのは、「他律的自立」(他者への信頼感から、自分もそうなりたいと思うこと)です。そのためには、親と一緒になって子どもの「自尊感情」を育てていくことがポイントになります。子どもの良い点をなるべく伝え合うようにしていきましょう。子どもの悪口をお互いに言い合っていても、何も解決しません。子どもの良さを共有しあっていくことを通して、子どもに「自分もまんざらではないな」と思わせることが、「学級崩壊」を克服していく大きなカギになるのです。

そうは言っても、どのように「自尊感情を育てればいいの?」と思う方も多いのではないでしょうか。低学年から気を付けてほしいポイントとして、次の3つをあげたいと思います。

(1) まず結果ではなく過程を褒めるようにすること。よく、「褒める子育て」と言われます。そうした褒める時にポイントは、大人にとって都合が良い結果である場合が多いのではないでしょうか。子どもは失敗する権利があるのです。その過程をよく見て、褒めてあげてほしいと思います。

(2) マイナス面も含めて認めてあげること。すでに、何度もお伝えしていると思いますが、子どもがネガティブな感情を持つことは自然なことなのです。ですから、「あ~、今怒っているのね!」とどっしり構え、子どもが自分で自分の気持ちをおさめられるまで待ってあげることです。その積み重ねで、感情をコントロールできる力が育っていくのです。

(3) 子どもが悪いことをした時に、きちんと言い分を聞いた上で、「悪いことは悪い」と教えてください。他の子どもの責任を追及する前に、まず我が子に言い聞かせてほしいのです。

S先生が取り組んだこと
問題を解決するためにS先生が取り組んだことは、子どもの問題行動を図式化したことでした。誰と誰がどのようなトラブルを起こし、その原因はどこにあり、他の子はどのように関わったのかを、模造紙に書いて分かりやすく提示したのです。そのことで、問題が明確になると同時に、どこを直していけば良いのかが子どもにも分かっていきました。

こうした図式化は、ご家庭でもできることですので、お友達とのトラブルに使ってみてください。そして、「どうすればトラブルが起きなかったか」「トラブルを小さくする方法はなかったのか」を、低学年のうちから考えさせてください。そのことで、自分の行動を客観化できるようになっていくのです。

「荒れる学級」の問題は、全国に広がっています。それを、担任と一緒になって解決していってほしいと、心から願っています。もちろん、担任の先生による子どもとの関係作りがあまり上手でない場合もあります。明らかに力が足りない教員もいます。それでも、子どもたちの幸せのために、力を合わせてほしいのです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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