ママライフ

わが家のペットは保護犬。子ども達に教えたい命を育てること

約2か月前の9月19日、わが家に子犬の家族が増えました。犬を飼うにあたり、”命を育てること”を子ども達と考え、約束事を決めました。

犬を飼うことになった経緯

東京にいたころから、ずっと動物を飼いたがっていた次女。「クリスマスには馬がほしい」と言っていたこともあるくらい、動物好き。さすがにサンタさんは馬を連れて来てはくれなかったですが(笑)。

東京から地方に移住して、集合住宅から住環境が一戸建てになり、また子ども達も生活に慣れたところで、「犬を飼うという経験(命を育てる)をさせるなら、今しかないかもしれない」と思い、今年になってからペットの里親募集サイトなどをチェックし始めていました。

「犬を飼うということ」家族で決めたこと

 「犬を飼う=命を育てる」。これは当たり前のことなのですが、子ども達は大人ほど深くは考えていません。これまで保護犬の話などはしてきましたが、本当に伝わっているのか定かではありませんでした。
そんなときにタイミングよく、毎月購読している子どもの学習雑誌に、“犬”についての特集記事を見つけました。それを読み改めて話合いをして、犬を飼う上での約束事を決めることにしました。

・犬もひとつの命、途中で育てることをやめることはできないこと
・うんちやおしっこの世話、エサやりと散歩も毎日すること
・かわいい赤ちゃんの時期は半年くらい。あっという間に成犬になること
・犬の寿命は10~15年、自分たちが生きている間に犬の死を迎えるだろうこと
・わが家はペットショップで犬を買うのではなく、保護犬をもらってくること
・世話を人に押しつけず、みんなで世話をすること

保健所に引き取りに

里親募集サイトをチェックし続けていましたが、なかなか引き取るタイミングが合いません。このままだと、飼うタイミングを失ってしまうかもと思ったその日に、里親募集サイトにリンクされていた保健所の保護動物のページを見つけました。
昨日保護されたばかりの、母犬と子犬の写真。「これはもう引き取りに行かないと」と、子ども達が帰宅してからすぐに保健所に向かうことにしました。

電話をかけたときに、「どの子がいいですか? 決まっていますか?」と聞かれていたのですが、保健所に着いて犬に対面する前にも同じ事を聞かれました。
「決めていません」と私。私の心の声は「決められません」でした。5匹いた子犬、その中から1匹に決めるという行為が、命の選択をするようでできなかったのです。

保健所の保護施設は、想像していたよりもハードでした。
4~5区画くらいに仕切られた部屋は、冷たいコンクリート張り。寒々しいこの部屋に連れてこられたら、きっとほとんどの動物が何かを察するだろうと思う空気感。ここで働く職員さんの仕事も、辛い仕事だなと思いました。

保健所のサイトで見た母犬と子犬、毛が抜けやせ細った母犬と一瞬目が合い、ドキッとしました。柵を開くと子犬たちがこちらにヨチヨチ歩いてきます。
その中から子ども達が子犬を選び、職員さんが連れ出してくれました。その際、母犬はまったく抵抗せず、こちらに背中を向け部屋の角っこに頭を押し込んでじっとしていました。こちらを振り返ろうともしなかった母犬の後姿に、私は胸が締めつけられ、涙が出そうになりました(実は帰りの車で母犬の姿を思い出して、泣きながら運転して家に帰りました…)。

「しっかり育てるからね」と小さな声で伝え、その場を離れました。

人間の身勝手さや命の重みを知るきっかけに

野犬なので病気を持っているかもしれないこと、治療費などももちろん自己負担。もしかすると弱い子犬で死んでしまうかもしれないこと、返すことはできないこと、一生面倒をみることという約束をし、サインをして引き取りが完了。

実は前日にもペットショップで犬を見ていた私たち。
「犬がほしくて買ったけれど、育てられなくなって捨てられることがあるんだって」、「流行の犬は多く繁殖し、流行が終わってしまうと価値が下がるらしいよ」というリアルな話を子ども達にしながら、ペットを見て回りました。
そのときに、大きくなるにつれ犬の値段が下がってしまうという「モノとしての扱いを受けている現実」、捨てられたら野犬になってしまうということ、そして野犬として捕まったら殺処分という厳しい現実も改めて話しました。

犬を飼おうと決めてから知ることになった現実に、改めて私達人間の身勝手さや、命の重みを考えさせられた1か月間でした。

2か月経った今

シャンプーも大変な仕事

案の定、わが家が譲り受けた犬は身体が弱く、ダニの媒介による貧血という状態でした。最初の1か月は週1ペースで動物病院に通うこととなったのですが、明るく優しい動物病院の先生の対応に、ものすごく勇気づけられました。
子犬に毎日薬を飲ませ、時々注射を打って体調も回復。今では元気になり、すくすく育っています。

子ども達は私が思っていたよりも真面目にお世話をしています。「お母さんになったら赤ちゃんのオムツを替えなきゃいけないんでしょ? うんちを触るのがイヤだな」と言っていたのが、子犬のうんちとおしっこもイヤがらずにお世話している姿に感心しています。

一番犬を飼いたがっていた次女は、動物病院にも必ず同行。私ひとりで行けるところですが、そこもあえて一緒に行くように心がけています。
そして彼女は犬が収容されていた、保健所の牢屋のような施設が今でも忘れられないと言います。以前、犬の殺処分についてテレビ番組で見たのを鮮明に覚えていて、「あの場所は動物にとっては地獄だよね」と次女。
「保護された動物に新たな飼い主が見つかればそうはならないだろうし、ペットを捨てる人がいなければ悲しい思いをしなくてもすむはずなのにね」と、以前よりも状況が分かるようになったようです。

引き取ってすぐの頃は私自身が、「あれだけ考えて決めたはずなのに本当に育てられるのか?」と不安になったこともありました。それから2か月余り、葛藤で頭が混乱していた私も、今は家族の一員になり安心してのびのびしている子犬を見ながら、育てる自信がついてきたところ。
現在はしつけに四苦八苦。犬を育てるのも子育てと同様、難しさを実感しています。

子ども達もペットを育てる一員として

新たにペットを迎える際は、まず家族でしっかりと話し合うことが大切。子どもとペットショップに行ったり、本やサイトで調べたりして、事前にプラスとマイナス両方の情報を得て家族全員で共有することが重要です。そしてすべてを大人が進めてしまうのではなく、子ども達もペットを育てる一員として大人と同じような責任の意識を持たせることが必要だと思いました。
わが家はペットを迎えてからも、子どもと一緒に病院に行ったり、エサやペットシーツなどを買いに行くようにしています。ペットはかわいいだけではない、日々のお世話と責任ついてまわるので、そこも子どもたちに感じてもらえるよう努めているところです。

「元気になってよかったね」と声をかけるたびに、子犬を引き取ってきた日のこと、弱々しかった姿を思い出します。そこを思い出し、子どもたちと共有できているからこそ、お世話が面倒くさい日があっても、しつけが大変であっても、「しっかり育てなきゃいけない」「きちんとお世話をしなければいけない」と、家族全員がスタートに戻れるのかなと思います。

動物を飼うことは、“命”を預かり、育てること。そこを忘れることなく、これからも子どもたちと一緒に育てていきたいと思います。

この記事を書いたライター

林未香さん
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写真家、ライター。2017年、3人の娘を連れて東京から山口の小さな町へUターン。夫は単身赴任中。趣味はキャンプ、DIY、旅行、魚をさばき調理すること。写真も撮れるライターとして活動中で、子どもの挑戦・冒険ネタが得意。

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