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学校で発言をしない娘、どうしたらいい?

奥田健次の爆裂子育てインフェルノォォォォオオウ

心理臨床家、専門行動療法士、臨床心理士の奥田健次先生が、子育てのお悩みを「行動」に焦点を当ててアドバイスします。

学校で発言をしない娘、どうしたらいい?

先生への質問

小学3年の娘は、保育園の頃からですが学校で発言をしません。担任が困っているそうです。自宅や習い事では返事も発言もしますし、友達もいます。小学1、2年の担任は理解してくれましたが、現在の担任にはカウンセリングをすすめられてしまいました。娘が少しずつ成長しているのを見ているので、カウンセリングは必要ないと思っています。
(小学3年生、女子)

爆裂回答

逆ですね。放置していてはいけません。カウンセリングを受けて下さい。娘さんは「場面緘黙(かんもく)」(選択性緘黙)のようですので、早期に対応が必要となります。この質問者のように、場面緘黙の場合は自宅で喋っているのを見ているので問題を感じず、保護者が時間やお金をかけて専門機関で治療を受けようとしない傾向が強いのです。

学校の担任も同じです。もし、教室で暴れるのなら進めたい授業を妨害されるので、担任も「何とかならないか?」と問題意識を持ちます。でも、喋らないだけなら授業を妨害されるわけではないし「見守ろう」、つまり何もしないで放置するということになりがちです。

私は日本特殊教育学会で6年連続、緘黙のシンポジウムで指定討論を仰せつかっていますが、ここで『緘黙について3つの放置』があると指摘してきました。

3つのうちの2つは、上に述べた通りです。「家庭における放置(自宅では喋るから問題ないとすること)」、「学校における放置(迷惑をかけていないから様子見すること)」。そして、もう1つは「行政による放置」です。こうした問題を質問者は、緘黙の「か」の字も使わずに質問されました。「不登校」や「自閉症」は知っているかもしれませんが、「緘黙」の子どもがいるのですよ、今は平気でも将来がとても心配ですよ、ということを教育委員会などが学校や家庭にほとんど知らせていない問題があります。

ですので、現在の担任は娘さんの様子を見て真剣に心配して下さってカウンセリングをすすめてくれたのでしょう。この担任以外のこれまで親御さんが「理解してくれていた先生方」というのは、むしろ緘黙について無理解な方々だったとしか言いようがありません。少しでも早く治してあげるべきだからです。それは、緘黙で苦しんでいた(なお現在も苦しんでいる)当事者の声からも明らかです。

ちなみに、カウンセリングなら何でも良いわけではありません。行動療法が有効とされていますので、行動療法で緘黙の治療経験のあるところを受診しましょう。『かんもくの会』や『かんもくネット』などのホームページや推薦書籍を参考になさって下さい。当事者の声も、とても参考になることでしょう。

カウンセリングを受けるほどのことなのかというショックがあるかもしれませんが、早期に適切な治療を受けることで、成人する頃までには本人も緘黙だったことを忘れるくらい、どこでもお喋りができて快活な社会人になることも可能です。実際、私はそのように支援してきました。

すでに数年放置されて、様子見をしてきたようですので、ウェブなどで相談するよりもすぐに適切な治療を開始されますように(治らない治療法もありますので情報収集にはご注意を)。そして、少しでも「場面緘黙」のことがもっと多くの方々に知られますようにと願っています。

※かんもくの会 ホームページ http://asmjapan.org/
※かんもくネット ホームページ http://kanmoku.org/

 
 

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プロフィール

奥田健次あんふぁんサポーター

奥田健次

専門行動療法士、臨床心理士。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。世界各地から招かれる国際的セラピストである。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。1999年・内山記念賞(日本行動療法学会)、2003年・日本教育実践学会研究奨励賞、2008年・第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。
日本行動分析学会常任理事。日本子ども健康科学会理事。桜花学園大学准教授などを経て、2012年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として浅間山のふもと、西軽井沢に移住。子ども、高齢者、動物らと共に高原での自給自足的生活を目指した試行錯誤を繰り広げている。桜花学園大学大学院客員教授等を兼任。現在、長野県に新しい私立幼稚園(行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園)を設立するために精力的に全国的な活動をしている。
著書に「子育てプリンシプル」(一ツ橋書店)、「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」(大和書房)、「メリットの法則 行動分析学・実践編」(集英社)、「拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より」(飛鳥新社)などがある。
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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