小学生ママ

わが子が意地悪をされているかも…

「意地悪をされているわが子」に、どう接したらいいですか。


小学校低学年の男の子です。 夏休み明けから学校でクラスメイトに時々意地悪をされているようです。「○○さんに消しゴムを捨てられた」「トイレに並んでいる際、押された」など、誤ってそうなってしまった可能性も否定できない内容です。なだめながら何とか詳細を聞こうとするのですが話してくれません。
最初に意地悪をされた時、担任に話したそうですが何の返事もなかったとのこと。本人はそのこともショックだったと言っているので、担任の先生に連絡されるのを嫌がっているのかもしれません。日中は元気なのですが、夜布団に入ると隠れて涙を拭いていることもあり、嘘をついているようには思えないのです。 親としてどのように対応すればよいのか困っています。
(にゃーごさん)
子どもの心をほぐすため、まずは「ミラーリング」から


にゃーごさんとしては、子どもの話をできるだけ聴き取ってあげたいと思っているはずです。しかし、にゃーごさんの対応を見ていると、「意地悪をされているみたいだけど、できたらトラブルにしたくないし、穏便に済ませたい」と思っている様子が伝わってきてしまうのですが、いかがでしょうか。そうした思いに、子どもは敏感です。

そうした思いを感じ取ると、子どもは心の奥底で「お母さんに話しても、分かってくれそうにないな」と思ってしまうもの。そのため、詳しく聞こうとしても話してくれないのです。

「ミラーリング」という心理学の方法があります。その名前の通り、第一に鏡のように相手の言葉を返してあげることです。第二に、悲しかったら悲しい表情で聞き、うれしかったらうれしそうな表情で聞くことです。この二つの方法を合わせて「ミラーリング」と言います。

まずは、「ミラーリング」の方法を使って、子どもの声を聴いてもらいたいと思うのです。「○○さんに消しゴムを捨てられた」と言ってきたら、「○○さんに消しゴムを捨てられたんだね」と返してあげます。その時に、悲しそうな顔をしていたら、悲しそうな顔で聴いてあげてください。悔しそうだったら悔しそうに聴いてあげてください。「トイレに並んでいるときに、押された」と言ってきたら、「そうなんだ。トイレで押されたんだね」と言ってあげましょう。

否定せずに、まずは子どもの言い分を聴くことが大切。そうした姿勢を親が見せることで、子どもの心はほぐれていくものです。ほぐれていけば、少しずつ状況を語ってくれるようになるはずです。

状況はゆっくりと具体的に聴く
前から言っていることですが、低学年の子どもは具体的に詳しく話していく力がまだまだ育っていないことがあります。ですから、「消しゴムを捨てられたんだよね。どんな気持ちがした?」とその時の感情から入ってください。「イヤだった」とか「悲しくなった」と言ってくると思います。それから、「どこに捨てられていたの?」「何回ぐらい捨てられたの?」と聞いていってください。気持ちを聴いてから、状況を聞いていく。しかも、徐々に具体的に聴いていくことがコツです。

そうした気持ちと状況を聴いてから、「あなたが悲しい思いをするのは、お母さんとしては我慢ができない。だって、こんなかわいい○○ちゃんに意地悪するなんて許せない!」と言ってあげて下さい。それだけで、子どもの心は楽になるのです。

わが子が悪い時もあるかも?
「意地悪をされる」ということですが、トラブルの場合もあります。つまり、にゃーごさんのお子さんがちょっかいを出して、トラブルになっていたり、相手の子がちょっかいを出してきて、それに対してやり返したことで意地悪されたというケースも考えられます。

ですから、まず「お母さんとしては、○○ちゃんがいじめられるのは我慢ができないんだけど、どうしてほしい?」と聞いてみましょう。もしトラブルがあった場合、「でも、僕もこうしたことをしちゃったからなぁ~」と言ってきたら、トラブルの様子を聞き、その対応を一緒に考えてあげてほしいと思います。

そうではなくて、何もしてないのに意地悪されたということなら、学校の先生に相談するべきです。「うちの子が、意地悪されているようなんですけど、先生としては何かご存じですか?」と柔らかく問いかけてください。「意地悪されているのを知らないんですか!」などと言うと、先生も感情的になってしまう場合があります。先生と一緒に解決していくことが、一番の早道なのです。

そして、わが子が意地悪をされていることがはっきりしたとするなら、先生に指導を任せると同時に、その指導の結果を教えてもらってください。先生は、トラブルを解決していく方法をたくさん持っています。そのことに信頼をおいて、一緒に解決していってください。

布団の中で涙をこぼしていると聞くと、心が痛みます。早急に解決していくように頑張ってみてほしいと思います。

「聴く」ということの意味
「聞く」と「聴く」は、私は意図的に分けて書いています。「聞く」には、門構えに耳と書いてあるように、門の前で門番が「何か言いたいことがあるのか?」と上の者が下の者の訴えを聞くという意味があります。

「聴く」は違います。心を傾けて聞く様子を言います。「聴く」は、耳に十四の心と書きます。子どもの十の声を聴きたいと思ったら、十四の心を傾けて聴く。その時に、子どもの心が見えてくるのだと思っています。心がけてほしいものです。

 
【新刊】
新刊「『いじめ・自殺事件』の深層を考える-岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として-」(本の泉社、1620円)発売中。



先生への質問受付中

プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

関連記事

関連記事

キーワード検索

幼稚園関連サイト

  • こどもがまんなかPROJECT
あんふぁんWebは子育てママを応援しています。