小学生ママ

口数が少なく、あまり話してくれない息子

「口数が少ないわが子」の対応で困っています


無口な息子。幼稚園のときからおとなしいほうでしたが、小学校に入り、ますます口数が少なくなっているのが気になっています。学校であったことも自分からは話してくれず、授業にちゃんと参加できているのかも不安です。こちらから何か聞くと答えてくれるのですが、あまりしつこく聞くとますます話さなくなるのではと心配です。「もっと自分から話しなさい」と言っても聞かないと思うし、このまま見守るしかないのでしょうか?(ゆかりんさん)
もしかして人見知りが強い?


まずは、息子さんは「人見知りが強い」という可能性があります。「人見知り」というと、悪いイメージが強いのですが、そうではありません。「相手を信用しても良いかどうかを判断するのに時間がかかる」と考えて良いと思います。他の人に心を許すのは、大人が考えている以上に子どものストレスになるものなのです。

しかし、そうしたストレスを乗り越えるのは、近い人々との愛着関係です。乳幼児の発達課題として、「愛着システム」を通じた基本的信頼感の獲得があります。これは、乳幼児が不安を感じたときに、母を求め、母に抱かれることで安心が得られる関係性のシステムのことです。この愛着システムが基本にあって、子どもは、「父」「保育士」「養育者」などに、そしてその次には、「教師」「援助者」「大人」「友人」などと心を開いていき、人間関係の中で安心が得られる経験が積み重ねられていきます。それが最終的には、イヤな気持ちも抱え込みながら処理していく仕組み「ネガティブ感情処理システム」を形成していきます。

人間は、毎日ポジティブに生きていくことなどできません。ネガティブな感情を処理する力も必要なのです。この両方の感情を処理していく仕組みが、とても大切。ゆかりんさんのお子さんの人見知りが悪いとは思いませんが、人間に対しての「信頼システム」の形成が遅れている可能性があります。「信頼システム」というのは、人への「愛着システム」をベースにしながら、「人を信頼しても大丈夫」という思いが形成され、自分の心が他者へ開かれていくシステムのことを言います。

子どもとの関係を再構築する!
信頼システムの形成を促進していくためには、子どもとの関係を再構築していく必要があります。そのためには、まずは家で丁寧に子どもの話を聞いてください。そうは言っても、あまり話してくれないとのことなので、そこにはコツが必要です。

「学校でどうなの?」とか「学校で何かあった?」などといった抽象的な聞き方では、絶対話してくれるようにはなりません。

「A君が、あなたと遊んだと言っていたけど、どんなことして遊んだの?」とか「B君が学校であなたと一緒に本を読んだと言っていたけど、どんな本を読んでどんな話をしたの?」といった具合に、具体的に聞いてください。そのためには、ママ友などを通して、わが子や他の子の情報を聞くようにしていくことが大切です。

そうした聞き方をすることで、「お母さんは、ボクのことをよく見ている」という安心感を持たせていくことができます。この時に、「いつも監視している」という感覚を持たせないように気をつけてください。

時間がかかると覚悟して
子どもが自ら話すようになるまでは、とても時間がかかります。特に、人見知りが強い子は、そうした傾向が強いのです。

しつこく聞くというよりは、子どもの何げないつぶやきに耳を傾けてください。「今日は、むしゃくしゃする」と子どもがつぶやいたら、「へぇ~、そうなの?」と相づちをうってください。そこで、「どうしたの? 何かあったの?」と早急に聞かないこと。相づちをうち、子どもが話してくれるのを待つことが大切です。

ゆかりんさんのお子さんが、親との信頼関係がないとは言いませんが、子どもには個性があります。ゆっくり待つこと。それが、あまりおしゃべりが得意でない子どもを変えていく一番の近道なのです。

 
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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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