小学生ママ

人の話を聞かず、勝手に行動を起こすわが子、もしかして発達障害?

「人の話を聞かず、勝手に行動を起こすわが子」に困っています


小1の女の子です。人の話を最後まで聞かないので困っています。しかも、先生の指示を最後まで聞かず勝手に行動を起こし、人と違うことをしてしまいます。早生まれ(2月)なこともあり、発達障害を疑うべきか判断に迷っています。
(じゃーまんさん)
「発達障害」のそもそも論を知ろう!


発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。ですから、早生まれとか遅生まれということには関係がありませんし、子育てが悪いということでもありません。

人間誰しも、得意なことや不得意なことがあります。発達障害のある人は、得意なことと不得意なことの差が非常に大きかったり、ほかの多くの人と比べて違った物事の感じ方や考え方をしたりすることが多くあります。そのため、勉強や仕事の理解や進め方、注意の集中や持続の偏り、対人関係でのすれ違いなど、生活に支障をきたしやすいのです。

発達障害の一番の困難さは、見た目にはわかりにくいので、周りに理解されることがとても難しいところにあります。

じゃーまんさんのお子さんが、「発達障害」であるかどうかは、専門ではないのでわかりませんが、全く人の話を聞かないわけではありませんよね。「発達障害」というのは、「話が聞けない」ということもありますが、「話が理解できない」ということが多いのです。お子さんが、人の話を聞けないのか、それとも理解できないのかを、きちんと観察してみてください。単純に「人の話を聞けない」のであるなら、「聞くというしつけ」をしていく必要があります。

小1ですから、次のことを考えてソワソワし、人の話を聞かないことはよくあることです。気をつけて欲しいのは、「うちの子は発達障害だ」と決めつけ、ラベリングしないこと。診断には、時間と手間がかかるのです。

心配でしたら、「WISC-IV 知能検査」を受けることをおすすめします。これは、5歳から16歳11カ月の子どもを対象とした検査です。学校の先生に相談すれば、検査を紹介してもらえますし、小児科医などに相談しても大丈夫です。

専門医が少ない日本の現状
モデルの栗原類さんが、「自分はADD(注意欠陥障害)だ」と告白したことで、一気に認知度がアップしました。栗原さんの障害の特徴は、「感覚過敏」と「強いこだわり」「注意力散漫」「感情表現が下手で、人の感情を読むことが苦手」というものでした。「発達障害」は、きちんと診断すれば、早期に発見できるものです。また、早期治療が効果的とも言われています。しかしながら、日本には大きな問題点があります。

「日本児童青年精神医学会」のデータによると、子ども・若者を専門としている精神科医が、平成28年度末で322名いるそうです。関東だけで考えると、認定医が98名。つまり、関東だけで1/3を占めているということです。そうなると、関東以外では、一つの県に4~5人程度しか認定医がいないということです。

文部科学省の2012年の調査によると、通常学級に在籍する児童・生徒の中で発達障害の特徴を示す子どもは全体の約6.5%という結果になりました。これは、診断を受けている子どもの数ではありませんが、その特徴を示す子どもが約15人に1人の割合でいるということになります。小学生全体でいうと約42万人となります。これを専門医の数で割ると、1人の医師が1300人を見ることになります。そのため、専門医の診断が行き届かず、小児科医などが診断することが多くなってしまいます。

日本は、児童・青年に対しての精神的なケアが非常に遅れている国なのです。そのために、「発達障害」の苦しさを、親子で耐え続けるということになりかねません。

大人になって「自分は発達障害だったんだ!」と気付いて、自分の今までの苦しさの原因がわかって楽になったという若者が数多くいますが、自分の障害の程度をきちんと知り、それに合わせて行動療法や認知療法を教えてもらうことで、社会での支障が減ります。

スペクトラムという考え方
最近は、「自閉症」という言葉を使わず、「自閉症スペクトラム」と言っています。「スペクトラム」というのは、「連続体」を意味します。つまり、障害と障害の間に明確な境界線を設けない考え方が採用されたのです。これは、どんな障害かを明確に区別しないし、できないと考えたのです。それは、障害が一つだけでなく、複数あることが大きい理由のようです。

ところで、私たち大人や健常児は、丸い順調な発達をしているでしょうか。実は誰でも、でこぼこした発達をしています。そうした意味でも、私たちもスペクトラムに入っていて、誰でも「発達障害かな?」と思える部分があるのです。しかし、それを分かりながらも、うまく社会と付き合っていますよね。この、「社会との付き合い方」を教えていくことが、「発達障害の子どもたち」にとっては大事なのです。

子どもの感じ方に寄り添い、「この子はこうした感じ方や考え方をしているんだ」と理解していくことが大切です。それは、子どもの個性を尊重して子育てをしていくことになります。この子育ての方向性は、「発達障害の子」も「健常児」も、なんら変わることがありません。

健常児も発達障害の子も含めた全ての子どもたちが、より良い発達をし、豊かに発達していってほしいと思っていますし、そうした社会になるように頑張っていきたいものです。

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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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