小学生ママ

宿題をやってから遊びに行ってほしいのに…

宿題がなかなか終わらず、「早く」とせき立ててしまいます。どうしたらいいですか?


宿題をやってから遊びに行くのがルールと決めています。 たいていの子は30分くらいで終わる宿題ですが、息子は倍近くかかります。友達と遊ぶ約束をしているときも、早く終わらせて遊びに行けばよいのに、ダラダラと時間がかかってしまい、遊びに行けなくなります。難しくて悩んでいるというよりは、途中休憩が多すぎ、集中していないようです。 テレビはもちろん消して、机の上にも余計なものは置かないようにしていますが、一問解くたびに消しゴムをいじったりしています。 つい、早く早くと言ってしまいますが、何と声をかけるのが良いのか悩んでいます。(小2男子/みーにゃ)
「早く」とせかされている子どもたち


すでに紹介したかもしれませんが、今の子どもたちは「早く」という言葉であふれています。教員をしていた2007年に、4年生対象に「お父さん・お母さんの口ぐせ調査」を実施したところ、次のような言葉が出てきました。

半数以上だったものが、17個もありました。ベスト10を紹介します。

1、明日の用意したの?(105)
2、早く寝なさい(95)
3、早くしなさい(87)
4、早くお風呂に入りなさい(85)
5、どうして弟(妹)とケンカばかりするの?(82)
6、こんなにちらかして、かたづけなさい(81)
7、早く終わらせなさい(76)
  外で遊びなさい(76)
9、早く宿題をやりなさい(75)
  気をつけなさいよ(75)

その他には、「勝手にしなさい!」「うるさい!」「弟(妹)を泣かすな!」「ちゃんとしなさい」「あばれない」「足をもんで」「肩をもみなさい」「家から出て行きなさい!」などもあり、ここまでくると子どもは下僕状態になってしまいます。

また、「なにものなの?」という言葉が19人もいました。こうなってくると、「あなたの子どもでしょ!」と言いたくなってきます。すごいのは、「言うことを聞かないと犬小屋に寝かすわよ」というのが10人もいたことです。

子どもたちは、どの子も一生懸命やっています。それなのに、「早く、早く」とせかされているのです。子どもたちは「どこまで早くすれば、お父さんやお母さんは納得してくれるのだろう?」と言っていました。

子どもたちの思い
親は、「集中して宿題をやれば、早く終わるのに…」と思いがちです。しかし、子どもたちは、「そんなに早くできないよ!」と思っているのです。一問解くたびに、消しゴムをいじったり、マンガを読んでみたりと、他のことをしてしまいます。どうして、そうなってしまうのでしょうか。

例えば、ネズミを迷路の中に入れて、右に行かせたいと思うなら、右にエサなどの報酬をおけば、右に行くことを覚えます。逆に、左に電気ショックの様な罰を置くとどうでしょうか。ネズミは、右に行くようにはなりません。

罰をもっと強くすると、ネズミはパニックを起こし、右にも左にも行かず、すみの方にうずくまったり、迷路から飛び出そうとするのです。このように、罰は効果的に人や動物を動かせないのです。

では、人間の場合はどうでしょうか。今回の宿題の件で考えてみましょう。宿題をしないで先生に怒られるのもイヤ。でも、遊ぶのをやめて宿題をするのもイヤ。子どもにとっては、どちらに行っても自分にとってはイヤな罰が待っているのです。そんなとき、人は突然別のことをし始めるのです。掃除がしたくなったりします。本が読みたくなったりします。ネズミのように、別方向にジャンプし始めるのです。

子どもは、遊ぶのが大好きです。それに比べて、宿題を面倒だと感じるのは、子どもにとっては自然のことなのです。ですから、「宿題は、面倒なものだよね~」と子どもの気持ちを理解してあげてほしいと思います。

最近、「情動の教育」ということが言われています。「楽しいな」とか「面白いな」という思いがなければ、学力が定着しないということです。では、宿題をどうやったら楽しくできるのでしょうか。それが、一番の課題なのです。

一緒にいてほめてあげましょう!
宿題を楽しいものにしていくためには、ほめてあげることです。机に座らせて、「宿題やりなさい!」と言っても、2年生では無理な場合が多いのです。ですから、まずは子どものそばにいてあげて、一緒に見てあげてほしいと思います。そして、「うわ~、この問題よく解けるわね~」とか「すごいじゃん!」とほめてあげましょう。

子どもは、親から認められることで頑張るものなのです。そして時には「この問題、難しいのに、よくできるわね。お母さん、分からないから教えてくれる?」と声がけしてください。すると、子どもは得意そうに教えてくれます。教わる立場から教える立場にしてあげることで、子どもの学力は定着していくのです。教えるには、十分分からなくては説明できませんし、説明させることでより理解が深まっていくからです。親が「何でも知っている」という姿勢で子どもに接しないことが大事なのです。

分からない時には、一緒に考えてあげましょう。いきなり答えを教えるのではなく、ヒントを与えるようにして下さい。そしてできるようになったら、「ちょっとしたヒントで出来るなんて、すごいわね~」とやはりほめてあげてほしいのです。

子どもと話し合いましょう
子どもは、自分の中に物事の優先順位があるものです。だからこそ、「どの時間なら、宿題ができる?」と話し合ってみてください。「遊ぶに行く前にやる」というものいいですし、「遊びから帰ってきたらやる」というのでもいいのです。そうした上で、「話し合って決めたのだから、守りなさい!」ときちんと叱っていくのも大切です。親が勝手に決めて「守りなさい」と言っても効果がないことを知ってほしいと思います。

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プロフィール

増田修治先生

増田修治先生 
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。
1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。
若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。
「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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