ママライフ

ママのお仕事拝見! 「一時預かり保育施設・ひとやすみスペース」のオーナー

原宿・竹下通りから小路を一本入った落ち着いた空間にたたずむtsuburaは、2015年11月にオープンした「一時預かり保育施設&ひとやすみスペース」。運営する株式会社Vaniraの代表取締役社長・山内直子さんは、朝10時に2歳の子どもを連れてtsuburaに出社し、従業員である保育士たちの手を借りながら、18時まで子どもと同じ空間で仕事をしています。tsuburaを立ち上げた経緯と現在の働き方について、山内さんに話を聞きました。

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待機児童問題をきっかけに起業

10年以上働いたIT企業の産休が明けたら、子どもを区立保育園に入れて職場復帰しようと思っていた山内さん。ところが、入園が決まらず待機児童となってしまったことから、「自分に合った環境は、自分で作ろう」と決意し退社。株式会社Vaniraを設立し、サービスの1つとしてtsuburaを作りました。これは、以前の自分のように、子どもの預け場所がなくて困っているママの力になりたい、息抜きできる場所を提供したいという思いから。
同時に、キャリアや能力はあるのに、出産を機に仕事を中断せざるを得なかった女性や、優秀ながらも従来の保育園の労働環境が合わず、退職せざるを得なかった保育士を活用したいという思いもありました。その思い通り、tsuburaでの一時預かりの保育スタッフは、全員保育士や幼稚園教諭の免許をもち、さらに、兼業でベビー・フォトグラファーをしていたり、ハイハイ体操の講師をしていたりと、多彩で有能な女性が集まっています。
現在、山内さん自身だけではなく、ほかの役員や保育スタッフも子どもを連れてtsuburaに出勤しています。「息子たちは、保育士たちに囲まれて楽しそうですし、幼少期にいろんな大人から愛情を注がれるのは幸せなこと。母親である私にとっても、仕事をしながら子どもを見守れる環境は恵まれています」と山内さん。

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tsuburaの理念は、「ママの笑顔を大切に」

「お客さんである子どもとママに笑顔になってもらうためには、スタッフたちが笑顔で働ける場所であることが大切です。たとえば、保育園から転職してきた保育士たちの話を聞いていると、3大ストレスは、1.集団保育で一人ひとりの子どもをケアできない環境、2.職場の人間関係、3.保護者との関係だったということがわかりました。tsuburaでは、こうしたストレスが生まれないように、一人のスタッフが担当する子どもは3人まで、スタッフはお互い下の名前で呼び合いコミュニケーションを密にすることなどを心がけています」
「前職では、直接、人に感謝されることが少なかったのですが、今は、困っているママに、『本当に助かります』と言っていただくなど、力になれている実感があります」。
tsuburaには、ほかにも、安全重視へのこだわりはもちろん、日本の良さを伝え、発信していきたいという理念もあります。遊びスペースの一部が畳になっていたり、おもちゃや家具、タオルなどは日本製にこだわっていたり、施設内のあちこちに山内さんの思いがあふれています。
また、近隣の美容室、エステ、飲食店、クリニックなどとパートナーシップを結び、パートナー店を利用する間(最大3時間)は、格安で子どもを預かるシステムを導入。これも、山内さんが物件探しの段階から描いていた、街ぐるみで育児サービスを提供したいという夢を形にしたものです。

現代社会に合った新しい育児スタイルを提案

「今の社会は、核家族が当たり前となり、近所づきあいも希薄。子どもを安全に遊ばせる場所が少ないなど、ママたちにとって、決して楽に子育てできる環境ではありません。とはいえ、不満をすべて行政に向けるのではなく、私たちにもできることがあると思っています。昔ながらの近所づきあいに代わる新しいコミュニティの提案や、今の社会に合ったサービスなど、どんどんtsuburaから生み出していきたい。今は育児スタイルの過渡期なので、いろんなサービスが乱立するのは健全なこと。利用するママたちが判断して、良いものは残るし、必要とされないものは淘汰されます。そこにはビジネスチャンスがあるし、社会問題の解決に少しは貢献できるかもしれません」と語る山内さんの瞳の奥には、「まだまだ新しいことにチャレンジしたい」という強い意志を感じます。

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社会のニーズに合わせて、今後もビジネス拡大

tsuburaでは、「産後ヨガ」、「チャイルドカット講習」など、ママ向けのイベントも開催していますが、「今後もおもしろそうなこと、ママからのニーズに応えられることは、どんどんやっていく予定です。地域の商業施設とのパートナーシップも、今以上に広げていきたい。シッター事業や、病児の預かりもできるように検討中です。さらに、いろんなスキルをもったスタッフに集まってもらい、事業を多方面に拡大したい」とのこと。
tsuburaの一時預かりサービスは、基本は0~3歳児、10時~18時までですが、スタッフの都合がつけば、それ以外の年齢、時間にも対応してもらえます。「そうでないと、本当に困っているママを助けられないので」という山内さんの言葉には、現役ママとしての説得力を感じます。
最後に、子育て中のママ、そしてこれからママになる人に向けて、メッセージをいただきました。「母親は家にいるべきだ、という時代は過ぎました。一日中子どもといて幸せなママもいるし、仕事を通じて社会と接点をもちたいママもいます。ママたちには、遠慮しないで、自分に合うスタイルを手に入れる手段を模索してほしいと思います。働くことで、たとえ母子が一緒にいる時間が減ってしまっても、はつらつとしたお母さんを見ている子どもは、将来立派な大人になれる気がします」。

ドアを開けた瞬間、優しい木の香りにつつまれるtsuburaでの取材。時折、傍らで遊ぶ息子さんに目を配りながら語ってくれた山内さんの横顔には、仕事をする女性としての凛とした表情と、ママとしての優しい表情が交差していました。そんな山内さんが今後どんなサービスを生み出し、発信してくれるのか、私も一人のママとして、とても楽しみです。

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取材協力 一時預かり保育施設・ひとやすみスペースtsubura
     HP http://tsubura.tokyo/

<文:フリーランス記者 鯰美紀>

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