ママライフ

元サッカー日本代表・北澤豪さんにインタビュー【後編】

元サッカー日本代表・北澤豪さんにインタビュー 子どもの性質のとらえ方や習い事、夫婦の協力関係まで、気になるアレコレ聞いちゃいました! 小学校低学年の今だから実践したい「強い心を持った子ども」の育て方

4月から小学生になる年長さん、そして新2年生、3年生に進級する子どもたち。自信をもって行動できる子どもになってほしいけれど、親として何をすればいいの? どう接して、どう声をかけていけばいい?――そんなママたちのお悩みに、3人の子どものパパでもある北澤豪さんがアドバイス! ご自身の豊富な子育て経験をもとにお話を伺いました。小ママ必読の“北澤流子育て法”を前編と後編でお届けします。

◆プロフィール

1968年、東京都町田市生まれ。小1よりサッカーをはじめ、読売サッカークラブ・ジュニアユース~修徳高等学校~本田技研工業サッカー部を経て、1991年、読売クラブ(現・東京ヴェルディ)へ。日本代表として多数の国際試合で活躍する。2003年の引退後はサッカー解説者を勤める傍ら、サッカースクール「FOOT」を主宰。「世田谷フットボールアカデミー」の総合監修として、子どもの心と体の育成にも尽力中。2012年6月より、日本サッカー協会理事。高3・中3の男の子と小学5年の女の子のパパ(2015年3月現在)。

「ウチの子、向いてない」ってやめさせる前に
やる気になるまで見届けて

――子どもに頑張ってほしくて、習い事でつい口出しをしてしまいがちになるのですが……

いつも「がんばれ、がんばれ、そこだ」と言っているかもしれないけど、サッカーだって実際やってみると、そう簡単にはできない(笑)! 言うのは簡単だから、つい親は子どもに指示しちゃうけど、子どもの方は子どもなりに精一杯頑張っている。親も自分でやってみれば「難しいことなんだ」って分かって、子どもに的確なアドバイスができるようになりますよ。

――子どもが習い事を「やめたい」と言い出した時、どう考えて、どう対処すればいいのでしょう?

習い事での子どもの様子を見て、「何がどう嫌なのか」ってママも状況を確認するのがいいですね。

できない子は嫌になって、やめてしまうことが多い。でも、たとえばサッカーをやっていて、その子がすごく楽しめるようになったら、どんどんうまくなっていくし、実際にそういう子はたくさんいるんですよ。(スポーツに関しては)いやでもやり続けて、ちょっとしたきっかけからキュッと伸びてくることがあります。子どもの意見を尊重することも大切だけど、いつも理解しようとしてばかりで甘くしていると、失ってしまうものもあるんじゃないかな。

僕はね、長男が「サッカーやめたい」って言い出して、やめちゃったことがあるんですよ。もうショックでね。「自分の子ならサッカーをやるのが当たり前」って思っていたけど、それは子どもの意思じゃないし、子どもをモノ扱いしていた、っていうことでしょ。父親失格だと思いました。だから、グッとこらえて、黙っておこう、って。状況を確認しながら陰で見守っていましたね(笑)。そうしている内に、子どもの方から「お友だちがやっているから、サッカーやりたい」って言い出して。でも、これは僕の力ではなくて、「お友だちがやるから」っていう単純な理由なんですけどね。

――では、親が「やめさせようかな」と思った時はどうでしょうか

子どもがなかなか上達しなくて「この子はサッカーに向いていない」と思ったら、あっさりやめさせてしまう親御さんもいるけれど、始めた時期も持っているものも、そもそも体格もみんな違うわけでしょう。でも、中学生になって体ができてきて、また違った伸び方をする子もいるし、今まで言われていたことが急に具体的に理解できるようになって飛躍的に上手になる子もいる。突出したものがないからと早々に決めつけて、あっさりやめてしまうのは本当にもったいない! 
やる気になっている子はうまくなるし、ほどほどの気持ちでやっている子は“ほどほど”。だから、本人がやる気になるまで見届けないと。

(セリエA・インテルナツィオナーレ・ミラノ所属の)長友佑都選手だって特別にうまい選手じゃないし、最初は能力だって決して高くなかったんです。でも、彼は謙虚に人のアドバイスを聞いて自分に必要なトレーニングを積み重ねていった。そういう“人間力”があったからこそ、あそこまで行けたんですよ。だから、才能で決まってしまう領域は、思っているほど大きくはないと思います。

――小学生のサッカーの教え方で気を付けていることは何ですか?

今、子どもたちは靴を座って履くんじゃないかな。靴下でも、立ったままはこうとするとグラグラ体が揺れたりする。これはバランス感覚と結びついているわけだから、「よーいドン!」で競争させたり、ゲームに取り入れたりして、遊びながら楽しんでできるようにしています。

それから、自分の子どもにでもスクールの生徒にでも、「後悔が少なければ少ないほど、前向きに取り組めるよ」って必ず言ってます。やるべき時にやること。後ろ向きにならないこと。スポーツの練習や試合では、まず“チャレンジ”がなくちゃいけないから。
それから、つらい時でも「これは次のステップに上がるための修業だ」と思えるかどうか。そのためには、今の一瞬を大事にすること。「この一瞬が未来につながっている」っていうことを伝えています。

あとね、一番大事なのは、その子の性格を見ること。たとえば、練習ではうまいんだけど本番になると力を出し切れない子、逆に普段はそれほど目立たなくても試合になると力を発揮する子もいるんです。「はい」って聞いている子の方が結構分かっていなかったりするし、きちんと聞いていなくても、ぱっとできてしまう子もいるし(笑)。
子どもには“性格の強い、弱い”、“強く言うと引く子”、逆に“強く言われることに慣れていて、さっとできる子”とか、極端な違いがあるんです。その子に合った声のかけ方をしていかないと、本当に大切なことは伝わらないんですよ。

小学生くらいだと、難しいことを言っても実感として理解できないかもしれないね。だから、むしろこの時期は、さまざまなことが何となく、いつかどこかで結びつくようにするために、サッカー以外の競技をやってみたらいいんじゃないかな。たとえば、前にしか走らなかったら横には動けなくなる。だから横にも後ろにも走れるような体の使い方をしておいた方がいいし、倒れて起き上がる練習も必要。この時にしか身につかない体の動作を意識してやったほうがいいと思います。

ママとパパの意見がズレるのは当たり前!
みんな悩みながら、手探りで子育てしている

――子育てでママとパパの意見が食い違った時はどうしたらいいのでしょうか?

意見がズレるって、それはもう当たり前!もう、ウチなんてズレまくっているもの。去年の暮れに(子育てが評価されて)「ペアレンティングアワード」で表彰された時、出掛けに「行って来るよ」って言ったら、妻が「なんで辞退しなかったの?」って(爆笑)。「ああ~、オレ、家じゃ評価されていないんだ~」(笑)。でもね、いろいろズレるけど、最近は「そういう考え方もあるんだ」って思えるようになりましたね。

ママにはパパに言いたいことがたくさんあるでしょう。でも、言ったところでどうなるかは分かっている(笑)。ウチの場合、「子どもの前でパパの悪口や文句は言わないで」って、妻にお願いしています。そうしないと、子どもが父親の言うことを聞かなくなっちゃうので。

――子育てに悩みはつきないのですが、北澤さんはどうやって乗り越えていますか?

子育ては「迷うことが当たり前!」という前提でいた方がいいですね。みんな手探りで悩みながらやってきている。それに、子どもの成長につれて悩みは変わっていくものだから。みんな、親子はどうあるべきかを手探りしつつ、子育てしているんだなと思います。

僕は「パパの会」を作って、子どもの学年関係なしで集まっています。ママ同士で解決できないこともパパ同士なら解決できる場合もあるんですよ。だから会の前には、妻に「何でも全部言ってくれ」って言って、それを「パパの会」で話し合ったりもしています。
パパは年代的に人生で一番忙しい時かもしれないけれど、子どもと一緒に体を動かす機会をひとつでも作ってみたらいいよね。普段の生活では見えてこない子どもの姿が見えてきて、新たな発見があるかもしれないし。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

幼稚園の3年間って、子どもの成長がすごいでしょう。ママたちは本当に一生懸命だったと思う。だから、“幼稚園の卒園”は、ママにとっても「一緒に卒園」っていう感じなんじゃないかな。僕からママたちに卒園証を渡したいぐらい! でも、大変だったけれど、過ぎてみれば懐かしい。だから、これまでの3年間を「こんなことがあったな」って振り返って、それを次に生かしていくといいと思います。そうやって、これからも子育てをどんどん楽しんでくださいね!

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