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まだオッパイを飲んでいる息子(4歳)、いつまで与えていい?

心理臨床家、専門行動療法士、臨床心理士の奥田健次先生が、子育てのお悩みを「行動」に焦点を当ててアドバイスします。

先生への質問

うちの子はとても甘えん坊で、まだ毎朝晩、オッパイも飲みます。それをやめる気配はまったくありません。最近の育児の風潮は「卒乳は、子どもが自然に離れていくのを待った方がよい」というのが多くて、安心して鵜呑みにしていたら、あっという間に4歳です。このまま、いつまでもオッパイを与えていていいものでしょうか?(4歳・男子)

爆裂回答

あかんよ、それは。まあ、しかしそんなふうに「自然に」という育児関係者が多くて困ります。私が「100%ですか?」と聞いたら、「ほとんどだ」などとお茶を濁すことを言うのです。さらに私が「じゃあ、100人のうち1人でも『自然に』では卒乳できない場合は、どうするんですか?」と聞くと、その専門家は「そういう場合はちょっとした異常で・・・」などと言い出す始末。「なおれば自然、なおらなければ異常」と無責任な言葉遊びのようにしか聞こえません。つまり、無策なのです。「自然」とはどんな関わり方なのか、と定義することもできないはずです。

では「自然」を見てみましょう。動物の授乳を見て学んで下さい。育児書も読んだことのない母犬が横たわっており、まだ視界もはっきりとしない仔犬が母犬のオッパイを吸います。一定期間が過ぎると、母犬は育児書も読んだことのないはずですが、昨日までオッパイを許していた仔犬らに、一切、吸うことを許さなくなります。

人間の子の難しいところは、4歳まで許して来てしまうと「どうして!?」「お願い!」などと言葉を使って母親にオッパイを吸うことを嘆願する可能性がある、というところにあると思います。ほとんどの母親は「そろそろオッパイは卒業しようね」などと、子どもの言葉に乗せられて、何らかの応答をしてしまうものでしょう。ここが人間の子育ての難しいところです。

母親として少し寂しいかもしれませんが、徐々に身体的な接触の面積を減らしていくしかありません。このことは拙著の中でも述べている効果的な方法です。お腹にいるときは母親との接触面積は100%でした。産まれた直後の赤ちゃんは身体が小さく、母に包まれると70%くらいの接触面積でしょう。授乳時に顔をオッパイに付けると80%くらいでしょうか。卒乳すると「抱っこだけ」「手をつなぐだけ」くらいの接触面積に減り、青年期になるまでには母と手をつなぐのに違和感を抱いていけるように、段階的に接触面積を減らす計画が必要です。

そうすると、オッパイを要求する子に「ダメ!」と叱るわけでもなく、ムダな説得をするのでもない方法を採るしかありません。かわいそうかもしれませんが「背を向ける」が正解です。お母さんは自分のオッパイを絶対に触らせない(触らせないので、もちろん吸うことなんかできない)ように、ある日を境に決行してもらうしかありません。中途半端にやって根負けして吸わせてしまうのなら、もっと悪くなってしまうので「絶対に触らせない」が必要です。4歳の子に根負けしないで下さい。

歯の生えた子どもですよ? 歯を立てないように吸うかも知れませんが、いろんな意味でとてもリスキーです(笑)。実際、オッパイがケガしたら吸わせることもできないので、この原稿を読んだら「私のオッパイはケガをした! 私のオッパイはケガをしたのだ!」と自分に言い聞かせて下さい。ケガをしていれば、当然、オッパイを求める子どもに対して背を向けるはずです。

背を向けた分、お母さんともっと楽しい新しい遊びを見つけて、オッパイへの接触に代わる楽しい遊びが定着するよう専念しましょう。

以上、日本オッパイ保護団体理事長からお送りしました。

 
【参考図書】

『メリットの法則 –行動分析学・実践編』(集英社新書)
『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)
『世界に1つだけの子育ての教科書- 子育ての失敗を100%取り戻す方法 -』(ダイヤモンド社)

 
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ケイト・コーエン・ポージーの本を翻訳出版しました。『いじめられっ子の流儀:知恵を使ったいじめっ子への対処法』(学苑社)です。すべて子育てをしておられる親御さんが知っておくべき考え方が、たくさん紹介されています。

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プロフィール

奥田健次あんふぁんサポーター

奥田健次

専門行動療法士、臨床心理士。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。世界各地から招かれる国際的セラピストである。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。1999年・内山記念賞(日本行動療法学会)、2003年・日本教育実践学会研究奨励賞、2008年・第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。
日本行動分析学会常任理事。日本子ども健康科学会理事。桜花学園大学准教授などを経て、2012年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として浅間山のふもと、西軽井沢に移住。子ども、高齢者、動物らと共に高原での自給自足的生活を目指した試行錯誤を繰り広げている。桜花学園大学大学院客員教授等を兼任。現在、長野県に新しい私立幼稚園(行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園)を設立するために精力的に全国的な活動をしている。
著書に「子育てプリンシプル」(一ツ橋書店)、「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」(大和書房)、「メリットの法則 行動分析学・実践編」(集英社)、「拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より」(飛鳥新社)などがある。
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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