入学準備

小学校まで徒歩40分、大雨の日はどうしたらいい?

心理臨床家、専門行動療法士、臨床心理士の奥田健次先生が、子育てのお悩みを「行動」に焦点を当ててアドバイスします。

先生への質問

小学校まで子どもの足で徒歩40分の場所に住んでいます。 大雨の時の通学で、登校時にビショ濡れにならないか心配です。 でも、送迎はしたくありません。 幼い子が長時間の徒歩でも濡れずに歩ける方法があったら知りたいです(5歳・女子)

爆裂回答

普通はボツにしてもよい質問ですが、逆に面白くてたまらないので採用します! たまには爆裂回答も炸裂させたいですからね。
ビショ濡れにならない方法。そんな方法があるのか、少しまじめに考えてみました。すぐに答えが見つかりました。世の中でそんなヤツがいるのか? いましたよ。結構、有名どころ。

そう、ドラえもんです。ドラえもんの材質ですが「極微反重力特殊コーティングボディー」というものが使用されております。雨にも濡れず、汚れもつかないことで有名な、あのスグレモノの素材です。
え? 真面目に答えろって?「実在する人でいないのか?」とお聞きですかね。現実にないものの話をしちゃダメなら、現実にない質問もしちゃダメでしょう?

つまり、大雨が降ると濡れます。大雨の中、歩く距離が伸びれば伸びるほど濡れるでしょう。これは至極当然のことなのです。以上。
「以上」でもよいのですが、まあせっかくなので「濡れない方法」を探すのとはまったく違う、子育ての方向づけについてお話をしましょう。

大雨にやられて濡れてしまった場合、「ビショビショやん!」と、普段(晴れ日)とは違う結果を珍しがって自分にツッコミを入れられるくらいに育てたいものです。岡山県に住んだことがあるのですが、面白い方言があるなぁと思いました。夕立でビショ濡れになった子が「ビショジャ!」と言ったのです。「BI・SHO・JA」ですよ。フランス語かスペイン語かと思いましたわ。天候のことなので、誰を恨むわけでもなく、ただ普段と違う、ひどい状態になってしまったことをそのまま受け入れる。ツッコミを入れられるくらいの余裕をかます。そういう道を目指すのが答えです。

もし、ビショ濡れになることが本当に心配でたまらないのであれば、親御さんに強迫性障害の可能性すら伺えます。かくいう私がそれを軽度に持っていますので、お気持ちは分かりますけどね。だからこそ、経済的な無理をして学校の近くに引っ越しするような発想を持たず、今この受け入れがたい状況(徒歩40分)を受け入れることを修行だと思うべきなのです(治療法に『エクスポージャー』という方法があるので調べてみてください)。中学生になる頃に「私、大雨の日なんかはビショになりながら通学したなぁ」「ランドセルの中にメダカ2匹が住めるくらい濡れたものよ」と、過去の自分の頑張りを自分で褒められるくらいになるよう育てるのです。

あ、ちなみに中高生男子くらいになると「部活中に雨が降ると、余計に頑張る現象」が起こることもよく知られています。特に運動場の周囲にカサを差した女子がいると、この雨に濡れながら頑張る現象はかなり強く表れます。そうそう。他にもあった。雨の中、「ウワーーーーー! チクショーーーー!」と倒れ込むと、なぜだか俳優・藤原竜也になれるという現象も、私、発見したあるよ。どうせズブ濡れになったんなら、一度くらいやってみてみてみー。

親としてできることは上記のような気持ちになれるよう激励することでしょう。まあ大雨警報ならば、そもそも外に出ては行けませんからね。学校もお休みでしょう。朝、一緒にしっかり天気予報をチェックする習慣もつけてあげればよいのです。
その他、やれること。大雨の日には着替えを持たせてやることです。学校側には、あらかじめ「濡れ方がひどい場合は、着替えを持たせてあるので着替えさせてやってください」「うちの子は徒歩40分通学しているざます」「そりゃ藤原竜也のモノマネもしたくなるざますわよ」と伝えておきましょう。誇らしげに「雨ニモマケズ」を笑いながら言える子どもにしましょう。

 
【参考図書】

『メリットの法則 –行動分析学・実践編』(集英社新書)
『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)
『世界に1つだけの子育ての教科書- 子育ての失敗を100%取り戻す方法 -』(ダイヤモンド社)

 
【新刊のご案内1】

新しい漫画『マンガ 奥田健次の出張カウンセリング – 自閉症の家族支援物語』が出版されました。自閉症の子どもの家族は、日常生活の中で子どものさまざまな問題や苦手なことに直面することがあります。親がよかれと思ってとった対応が、逆に問題を深刻化させてしまい、自分たちで対処できなくなる。そんなときが奥田先生の出番です。 本書では、トイレに行ってオシッコができないエルモくん、てんかんの薬を服用できないジャンくん、特定の言葉を嫌がり、拒絶するようになったダンテくん、自閉症児のおねえちゃんで、怖い夢で気持ちが落ち込んでいたマイコちゃん、職場の上司に叱られリベンジしたいアーサくん、年下の相性の悪い子にしつこくされて暴言を吐いてしまったサントくんの事例と対処を紹介します。さらに、著者自身の生い立ちを含めて、出張カウンセリングするようになった経緯をまとめた「奥田健次物語」も掲載しました。それらが、武嶌さんのマンガにより、リアルに再現されています。 読者は、それぞれの子どもと家族の置かれた状況の分析と、子どもの心の動きのツボをおさえたやりとりで行動上の問題を解決していく奥田先生の鮮やかな仕事ぶりから、学べることがあるでしょう。(Amazonの内容紹介より)

 
【新刊のご案内2】

ケイト・コーエン・ポージーの本を翻訳出版しました。『いじめられっ子の流儀:知恵を使ったいじめっ子への対処法』(学苑社)です。すべて子育てをしておられる親御さんが知っておくべき考え方が、たくさん紹介されています。「いじめられっ子」が苦しめられたまま放置されるのではなく、「知恵」という新しい力を得ることができるでしょう。職場や親子の人間関係の構築にも役立つと好評です。

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プロフィール

奥田健次あんふぁんサポーター

奥田健次

専門行動療法士、臨床心理士。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。世界各地から招かれる国際的セラピストである。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。1999年・内山記念賞(日本行動療法学会)、2003年・日本教育実践学会研究奨励賞、2008年・第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。
日本行動分析学会常任理事。日本子ども健康科学会理事。桜花学園大学准教授などを経て、2012年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として浅間山のふもと、西軽井沢に移住。子ども、高齢者、動物らと共に高原での自給自足的生活を目指した試行錯誤を繰り広げている。桜花学園大学大学院客員教授等を兼任。現在、長野県に新しい私立幼稚園(行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園)を設立するために精力的に全国的な活動をしている。
著書に「子育てプリンシプル」(一ツ橋書店)、「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」(大和書房)、「メリットの法則 行動分析学・実践編」(集英社)、「拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より」(飛鳥新社)などがある。
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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