入学準備

自分でできることも、家では「やって!」と言ってくる息子、どうすればいい?

心理臨床家、専門行動療法士、臨床心理士の奥田健次先生が、子育てのお悩みを「行動」に焦点を当ててアドバイスします。

先生への質問

幼稚園では着替え、食事、手洗いなど、自分でやっているようですが、家では「どうやってやるの?」「やれない!」と言って、怒っています。家でも自分でやってくれると助かりますが、穏やかにやらせるように進めようとするには、それなりの時間と心の余裕がないとできません。どのような心構えでいればよいのでしょうか?(3歳・男子)

爆裂回答

まず、家と幼稚園での行動に差があるように感じられるような相談は、他からもたくさんいただいています。そのどちらが本当のうちの子の力なのかとか、そう考えずに「状況によって差があるのが、今のうちの子である」とそのまま受け入れることからスタートしましょう。

自宅でできずに「できない!」と親に言ってくる場合、できないことよりも、それを口実に親の助けや注目を得ようとしている可能性が高いとお考え下さい。自分でできてしまった場合、忙しくしている親であれば放っておけますよね? でも、忙しい親でも子どもが「できない!」と言ってきたら、「どうしてできないの?」「ちょっとこっち来てごらん!」などと叱り気味に応じてしまうものです。

お分かりの通り、スポーツの監督にも色んなキャラがいますが、イメージとしては「命令する監督」よりも「自分でやらせてみて、足りないところは見本を見せたり、教えてあげたりする監督」という感じです。

そうすると、やや叱り気味の親のかかわりでも、それが好子(こうし:その人にとって好ましい刺激や出来事)となる子にとっては、一人でできそうなことでも、いちいちぐずります。これが「ぐずり」が増える原因のひとつでもあります。

一番賢い方法は「ぐずったら手伝う」をやめて、「ぐずる前から手伝ってあげる」という方法です。苦手な部分(たとえば靴下を最初から最後の仕上げの手前まで上げる)は手伝ってあげて、最後の簡単な部分(靴下を引き上げる)だけ本人の力でやらせる方法があります。これを『バックワード・チェイニング』と言います。

こんなふうに考えると、あまり子どもに全部を期待しないスタンスは重要ですね。期待すると、期待に添えない場合、大人はイライラしがちです。子どもは、そんなすぐに大人の期待に添えないものです。それが子どもです。

朝から起きる時間を一時間でも早めるという生活リズムの設計の見直しもおすすめしています。その分、時間に急かされないために気持ちがイライラせずにすみます。穏やかに進めることの大切さがおわかりで、そのためには時間と心の余裕が必要だということまでお気づきですので、後はこの生活リズムの設計図を描き直してみて下さい。それを習慣にするまでには正しいやり方を3か月くらい続ける必要がありますが、習慣になると親子ともにかなり楽になりますよ。

 
【奥田先生の最新情報】

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【参考図書】

『メリットの法則 –行動分析学・実践編』(集英社新書)
『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)
『世界に1つだけの子育ての教科書- 子育ての失敗を100%取り戻す方法 -』(ダイヤモンド社)

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プロフィール

奥田健次あんふぁんサポーター

奥田健次

専門行動療法士、臨床心理士。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。世界各地から招かれる国際的セラピストである。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。1999年・内山記念賞(日本行動療法学会)、2003年・日本教育実践学会研究奨励賞、2008年・第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。
日本行動分析学会常任理事。日本子ども健康科学会理事。桜花学園大学准教授などを経て、2012年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として浅間山のふもと、西軽井沢に移住。子ども、高齢者、動物らと共に高原での自給自足的生活を目指した試行錯誤を繰り広げている。桜花学園大学大学院客員教授等を兼任。現在、長野県に新しい私立幼稚園(行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園)を設立するために精力的に全国的な活動をしている。
著書に「子育てプリンシプル」(一ツ橋書店)、「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」(大和書房)、「メリットの法則 行動分析学・実践編」(集英社)、「拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より」(飛鳥新社)などがある。
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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