入学準備

子どもの友達関係、親はどこまで介入していい?

心理臨床家、専門行動療法士、臨床心理士の奥田健次先生が、子育てのお悩みを「行動」に焦点を当ててアドバイスします。

先生への質問

●春から1年生になりますが、引っ込み思案で、友達作りが本当に下手な子なので心配です。 上手なお友達作りのコツみたいなものがあれば教えて下さい。(年長男子)

●小1の息子です。すぐ手が出る友達とは、どのように付き合えばいいですか? 自分の意見が通らないと叩いてくる子がいます。先生に言って、加害者に注意をして、謝ってもらいその場は収まるそうですが、息子以外の子も含め、ほぼ毎日トラブルがあります。加害者の親に伝わっているかはわかりません。学年が上がるにつれ力も強くなるので心配です。(小学1年生男子)

爆裂回答

うーん、同じような悩みを持つ親御さんは、本当に多いですね。だから、今回は2つ同時に爆裂回答。

まず、前提ですが子どもの友達関係は放置しないほうが良いです。厳しい感じの言葉をあえて使いますが、「監督」が必要です。もう少し、柔らかい感じの言葉に置き換えれば「コーチ」が必要です。監督やコーチ? まるでスポーツの世界みたいですね。その通りです。子どもが社会関係を「安全かつ健全に」築いていくためには、見本や手助けが必要となります。

お分かりの通り、スポーツの監督にも色んなキャラがいますが、イメージとしては「命令する監督」よりも「自分でやらせてみて、足りないところは見本を見せたり、教えてあげたりする監督」という感じです。

最初のお子さんですが「引っ込み思案」とのことですね。放置していてはいけません。「そのうち良くなるだろう」と考えないほうが良いです。幼児期は、同じ年齢でも圧倒的な力の差が起こるもので、同じ遊びをやると圧倒される子どもがいるのは普通のことです。鬼ごっこひとつ、同じ学年でも負け続ける子どももいます。大人の中には、そういうのに気づきながら「あまり干渉しないほうが良いのかな?」と勘違いする人が結構いますが、命令口調で干渉しないほうが良いけれども、近くで手助けする大人の介入が必要な場合があります。場合によっては、必ずしも同じグループや学年の子どもたちの中に無理に入れておく必要はなく、圧倒されずにすむような活動仲間に入れてあげる配慮も必要かも知れません。ゆるやかに自己主張ができるように、スモールステップでちょうど良い関係を築けそうなところを探して下さい。

さて、2人目のお子さんです。親御さんが相手の小学1年生について「加害者」という言葉を使いました。それくらいの言葉を使いたくなる気持ちは分かります。ならば、どうして「先生に言って、本人に注意してもらって、終わり」なのですか? 小学1年生にして「加害者」と言われるくらいの状態の子どもがいるのに、その子の親御さんがこうした事実を知らないままでいることが、とても大きな問題とお考え下さい。

そういう問題だと、実はこの担任もあまり気づいていないのでしょう。もしくは、教室や学校の中でその場で注意して終わると、教師としては時間や労力が少なくてすむので、そちらを優先している可能性もあります。

本来は、担任を通してこの叩いてくる子どもの保護者に、事実をその都度報告してもらうべきですので、今後は担任に「学校から保護者にどう伝えているんですか?」と尋ねて下さい。また「学校として、毎日のように起きていることに対して、何か支援をしておられるのでしょうか?」と尋ねて下さい。これで学校側が何もやらない場合は、保護者会などでお話しせざるを得なくなります。学校としては、そういうことを避けたいはずです。学校としても保護者会で荒れるよりも、何とか学校と家庭で出来ることを建設的に話し合って対処していくほうが良いはずです。

学校としては、行動上のニーズのあるお子さんとして把握した上で、この毎日叩いてくる子どもへの特別な配慮や支援を進めていかなければなりません。

安心して、学校へ通うことができるよう、絶対にこうした問題を放置しないで下さい。

【今回のコラムで紹介した本】

『世界に1つだけの子育ての教科書―子育ての失敗を100%取り戻す方法』(ダイヤモンド社)

  • 【新著の紹介】
    飛鳥新社から『拝啓、アスペルガー先生【マンガ版】―異才の出張カウンセラー実録』が出版されました。マンガ版です。書籍版も絶賛発売中です。

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プロフィール

奥田健次あんふぁんサポーター

奥田健次

専門行動療法士、臨床心理士。発達につまずきのある子とその家族への指導のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。世界各地から招かれる国際的セラピストである。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。1999年・内山記念賞(日本行動療法学会)、2003年・日本教育実践学会研究奨励賞、2008年・第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。
日本行動分析学会常任理事。日本子ども健康科学会理事。桜花学園大学准教授などを経て、2012年4月より行動コーチングアカデミー代表/学校長として浅間山のふもと、西軽井沢に移住。子ども、高齢者、動物らと共に高原での自給自足的生活を目指した試行錯誤を繰り広げている。桜花学園大学大学院客員教授等を兼任。現在、長野県に新しい私立幼稚園(行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園)を設立するために精力的に全国的な活動をしている。
著書に「子育てプリンシプル」(一ツ橋書店)、「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」(大和書房)、「メリットの法則 行動分析学・実践編」(集英社)、「拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より」(飛鳥新社)などがある。
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/

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